北京時間の17日、米国の半導体大手クアルコムとアップルは合意に達し、アップルの契約メーカーとの間の訴訟を含む進行中のスマートフォンの特許をめぐるすべての知的財産権の訴訟を取り下げたことを明らかにした。中国新聞網が伝えた。
この和解が5G市場に与える影響について、独立系の電気通信アナリストの付亮さんは、「5G時代にも、携帯電話はクアルコムの特許を回避することができない。アップルができないだけでなく、サムスンも、華為(ファーウェイ)もできないし、中国国内の他のメーカーはもっとできない」との見方を示す。
今、ファーウェイに言及しないわけにはいかない。ネットユーザーからは、「クアルコムとアップルが和解して、ファーウェイは困ったことに、アップルという潜在的顧客を失った上に、クアルコムとアップルが協力してファーウェイに対抗してくる可能性もある」という声が上がった。
ファーウェイには独自の5G研究開発技術とチップがある。さきに伝えられたところによると、アップルはファーウェイの5Gチップの採用を考えていたという。ファーウェイの消費者向け端末事業グループの余承東最高経営責任者(CEO)はメディアの取材に答える中で、「アップルがファーウェイのチップを採用することを歓迎する。双方の協力は『すぐにも実現可能』だろう」と述べた。
ファーウェイが16日に行った2019年グローバルアナリストサミットで、胡厚崑副社長もチップの問題に言及し、「ファーウェイのチップ戦略に変更はなく、独自コントロールが可能で、断固として開放の道を歩む」と述べた。
付さんはクアルコムとアップルの和解について、「アップルがファーウェイのチップを採用する可能性はあまりないが、これはアップルがクアルコムのチップに代わる存在を探すのをやめたということを意味しないし、独自開発は今後も続く。インテルが『スペアタイヤ』にならないなら、ほかにある」と述べる。
さきの分析によると、アップルとクアルコムの紛争で、クアルコムのビジネスモデルに動揺が生じたとすれば、携帯電話メーカーは5G時代に利益を獲得する望みが出てくる。
しかし携帯電話中国連盟の王艶輝事務局長は、「クアルコムの特許使用料徴収方法は携帯メーカーに重大な影響があり、アップルとの訴訟に負けても、新たな徴収方法で使用料が下がることはおそらくない。携帯電話の端末に対して徴収するのではなく、固定料金を徴収するという変更でも、使用料が下がることはおそらくない」との見方を示す。
現在のところ、5G時代におけるクアルコムの影響は依然として軽視できないようだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年4月18日