〇食いしん坊も喜ぶ「文化財スイーツ」
「民以食為天(民は食を以て天と為す)」という言葉もあるように、博物館も早くからグルメ分野に注目しており、「舌で味わう国宝」の旅の徹底的な開拓を進めてきた。故宮には、特色ある月餅だけでなく、「朕的心意(皇帝のおもてなしギフト)」の火鍋(しゃぶしゃぶ)もあり、一時は需要に追いつかないほどの人気ぶりだった。
中国国家博物館の「ぺろぺろキャンディー」
中国国家博物館も、文化クリエイティブグッズ「ぺろぺろキャンディー」を発売した。そのうちの1種は「青花瓷器」からインスピレーションを得ており、他の3種は彩色磁器をイメージしたデザインとなっている。
蘇州博物館の秘色蓮花クッキー
陝西歴史博物館の葡萄花鳥紋香袋囊クッキーと杜虎符チョコレート、蘇州博物館の秘色蓮花クッキーもまたファンを魅了している。
広東省博物館のケーキ
広東省博物館も負けてはいない。「粤藏」や「粤光宝箱」、「風尚」など数種類の文化クリエイティブ「ケーキ」を打ち出しており、それらの全てが丹精込めて作られている。
たとえば、ケーキの一層ごとに挟んだフィリングは特定の型を使って作成されており、完成後は冷凍して固め、最後の仕上げではケーキの外側に広東省博物館のロゴを吹き付けている。
来場者は、「博物館の文化クリエイティブグッズとは、これほど美味しくできるものなのか」と思わず感嘆している。
〇こうした文化クリエイティブグッズの人気の秘密は?
こうした文化クリエイティブグッズが大ヒットした原因を追究してみると、「斬新なアイデアと身近さを感じさせながら、伝統文化の要素と結びついて、実用的でありながらも見た目も良く、人々の心理的な期待にマッチしている」といった点だろう。
物質的生活がますます豊かになり、文化に対する人々のニーズもまたますます高まっている。国内の各大型博物館は、貴重な文化財を数多く収蔵しており、それらのひとつひとつの背後には、重厚な歴史と文化が備わっている。多くの中国人が、博物館に来て中華文明の豊かな内容を理解したいと思っている。文化クリエイティブグッズはちょうど博物館と人々を結びつける役割を果たしていると言えるだろう。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年5月21日