『アメリカの罠』作者「米国司法に妥協を強いられた」 (3)

人民網日本語版 2019年07月05日14:29

ピエルッチ氏によると、仏下院による2018年の調査報告も、当時の買収においてアルストムとGEが共謀し、50万ユーロ余りの宣伝費をかけてフランスの広報代理店、弁護士事務所、銀行などに働きかけ、「アルストムは経営が困難であり、GEに買収されるのは当然だ」と宣伝したことを暴き出している。実際には、当時アルストムが原発分野で世界上位にある一方、GEは蒸気タービン発電市場を占有するのみだった。

『Le Piège américain』が出版されると、フランスの政界、経済界、市民はいわゆる「米国の罠」に警戒心を抱くようになった。ピエルッチ氏によると、フランス社会の覚醒は相当程度トランプ大統領の「率直さ」のおかげでもある。つまりトランプ大統領は貿易戦争をするという米国の意図を少しも隠さない。これは、さらに多くの真相を明るみにするうえで大きな後押しとなった。

■組織的に米国に対処しなければならない

ピエルッチ氏は主に政府機関や多国籍企業をクライアントとするコンサルタント会社をすでに設立した。自国の基幹産業及び産業主権を保護する方法、米国の司法的介入に対処して多国籍企業の利益を保護する方法などを扱っている。

ピエルッチ氏によると、米国は世界経済をコントロールする地位を保つことを望んでおり、目的達成のためにはあらゆる手段を用いる。こうした状況を前に、他の国々は対応を選ぶことしかできない。残念なことに、現在欧州は各国間の利益の溝が比較的大きいため、集団的対応を取ることができずにいる。トランプ米大統領は二国間協議制度を用いることにより長けているため、欧州をまとめるのは一層困難になっている。

ピエルッチ氏によると、現在世界にはフランス、ドイツ、英国、中国、ブラジルなど一定の工業力を持ち、米国と技術競争を行える国々がある。まず自国の司法システムを改め、法令を制定して自国の多国籍企業を保護するべきだ。また、こうした国々は対話を強化し、贈賄する米国企業を告訴するなどより厳しい措置を試みて、国際経済関係においてチェック・アンド・バランスを形成するべきだ。(編集NA)

「人民網日本語版」2019年7月5日

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