今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、人々の日常生活だけでなく、子供たちの教育現場にも様々な変化が生じている。中国では現在、ほとんどの地域で小中高校や大学がすでに授業を再開し、夏休み前の期末テストシーズンとなっているが、感染が再確認された北京市では再びオンライン教育に切り替わっているほか、北京市教育当局は9月の新学期からもオンライン・オフラインの両方で準備を進めるようすでに明確に指示している。今回はそんな新型コロナ下で試行錯誤を重ね、進められてきたこの約半年の中国におけるオンライン教育を振り返ってみよう。人民網が伝えた。
春節明けに動き始めたオンライン授業への試み
春節(旧正月、今年は1月25日)前後から湖北省武漢市を中心とする新型コロナウイルスの感染状況が深刻化していったことを受け、中国各地では教育機関が冬休み期間を延長するなどの措置がとられた。同時に一部の学校ではオンライン授業への様々な試みも始まった。まず注目を集めたのが会議アプリを利用したオンライン授業だ。ただ初期段階では会議アプリをどのように活用すればいいのか、教師も手探り状態の上、生徒側のネットワークやハードウェア環境もまちまちであったこともあり、実施にあたっては試行錯誤が繰り返された。
新学期の授業再開に向けた動き
各教育機関のオンライン授業体制のバラつきから、特に義務教育段階である小中学校においては、新学期のカリキュラムのスタートを見合わせる指導が行われ、北京市では4月中旬まで前学期の復習を中心とした授業やオンライン学習教材の提供が行われていた。4月中旬に一斉に新学期の教科書配布が行われると、冬休み明けから約2ヶ月ほどかけて立ち上げてきたオンライン授業が本格的にスタート。各学校のプラットフォームやクラウドサービス、スマホアプリ、各区が提供するオンライン学習教材などを活用したオンラインによる授業と宿題提出、小テストの実施などが次々行われるようになっていった。
ウィズコロナ時代の教育は?
6月中旬に北京市で感染が再確認され、世界各地でもまだまだ深刻な感染状況が続く中、北京市の教育当局は早々と9月の新学期からもオンライン・オフラインの両方で準備を進めるようすでに明確に指示している。この約半年でオンライン教育の体制は整いつつあるものの、その優れた点だけでなく、欠点も見えてきたと言ってもいいだろう。体育の授業をどうするのか?テストの公正さをどのように保証するのか?そしてこれまではあくまで補助的ツールとして使用されることが多かったパソコンソフトやスマホアプリといったツールを使いこなさねばならなくなっている教師たちのサポート、さらには各家庭におけるハードウェアやネットワーク環境の統一化など、解決すべき問題点も多々ある。
ただ少なからぬ問題点を抱えながらも「とりあえずやってみよう」という見切り発車で進められてきた結果、多くの経験を積んだことも確かだ。ウィズコロナ時代、中国の今後の教育体制がどのようになっていくのか、興味は尽きない。(文・イラスト・玄番登史江、袁蒙)。
イラストで知ろう!イマドキ中国
人民網ではもっと身近なスタイルで今どきの中国を読者の皆さんに知ってもらうため、「つるにはまるまるむし爺さん」と「へのへのもへ郎」、「へめへめくつ美」の3人が流行語やカルチャー、時事問題など幅広いジャンルにおける「イマドキ」を紹介。中国ってこんな国なんだ!と興味を抱き、理解を深めるきっかけにしてみてください。
「人民網日本語版」2020年7月9日