「独身貴族」は幻想?「おひとり様経済」ブームの中で女性の消費を考える

人民網日本語版 2020年08月07日10:48

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現在、おひとり様が世界的なトレンドになっている。高齢化社会の訪れにより生まれた高齢者の単身世帯のほかは、単身世帯のかなりの部分を若い人が占める。ここ数年、この単身者層に照準を合わせる業者が出てきて、「おひとり様経済」は今や業者が利益を求めて競い合うブルーオーシャンになった。「おひとり様経済」ブームは、関連商品の提供、おひとり様社会やおひとり様文化の育成を通じて、自立した生き方を求める女性を応援する。しかしおひとり様がビジネスになる時には、消費主義という「パッケージ」の下で、女性の自立という主張が従来型の性規範という旧態に戻らないよう十分に警戒しなければならない。「中国青年報」が伝えた。

「おひとり様経済」ブームがやってきた

おひとり様は一種の社会現象として長らく注目を集めている。

「おひとり様経済」という言い方は、F.T.マッカーシー氏が2001年に英誌「エコノミスト」で発表した文章に初めて登場した。マッカーシー氏は同年に映画「ブリジット・ジョーンズの日記」が世界でブームを巻き起こし、ヒロインのブリジットの生き方が注目を集めたことを受け、そこに現れた新しい経済の形を「ブリジット・ジョーンズ・エコノミー」と名付けた。マッカーシー氏の見方では、シングル女性の多くは広告業や出版業、娯楽業、メディア業の製品・サービスの生産者や消費者だ。独身で高い収入があり、ほかの階層よりも消費への意欲と衝動が強い。スキのないブランドファッション、優雅なヘアスタイル、バッチリ決まったメーク、定期的に体を動かし、余暇時間がたっぷりあるシングル女性は、ファッションの代名詞、かっこいいことの代名詞、新たなトレンドの代名詞になった。

現在、世界に広く存在するおひとり様のトレンドと女性の解放・発展の道のりは切っても切り離せない。女性の教育水準が向上し、労働参加率が徐々に向上するのにともなって、女性たちは自分自身の発展を追求し、学業や事業での発展と結婚や家庭での生活との間で衝突が起きた時には、結婚を遅らせたり非婚の選択をしたりするようになった。また女性の自立した経済力も「おひとり様経済」のブームの中で自身の消費力と決定力を高める流れを決定づけた。

「おひとり様経済」の発展は女性を含むすべての単身者層により多くの便利さと可能性をもたらす。おひとり様対応の火鍋レストランの登場で、一人鍋の気まずさが解消された。小型スマート家電が発売されて、おひとり様世帯の暮らしがさらに便利になった。単身者向けマンションには経済性と社交的な属性が備わり、おひとり様が不動産を購入する時の予算不足の悩みを緩和し、単身者向けの特別な設計がおひとり様の「セレブ的」ムードや社交生活への憧れにマッチした。おひとり様が抱える介護や医療保障での脆弱性を見据えて、一連の対応する資産運用商品が登場し、今後、おひとり様の後顧の憂いをなくし、個人化するおひとり様のリスクに対する脆弱性を緩和することが予想される。特に「おひとり様経済」のブームの中、生涯学習や多様な職業選択、スキル訓練が注目点になっており、これもまたおひとり様が持続的発展を実現するための保障になると同時に、自立と自主を追い求める女性の歩みを後押しすることになる。

「消費主義」の落とし穴と「独身貴族」の幻想

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