中国科学院大連化学物理研究所が独自開発した第3世代DMTO技術が9日、北京の中国石油・化学工業連合会による科学技術成果審査に合格した。科技日報が伝えた。
審査を担当した専門家は、「同成果は革新的で、完全に独自の知的財産権を持つ。その成果は世界トップレベルで、技術の優位性が際立っている。業界の技術進歩をけん引し、応用の高い将来性を持つ」との見方を示した。また、次世代触媒の普及ペースを上げ、そして第3世代DMTOの工業モデル装置が早期に完成するよう提案した。
低炭素オレフィンは通常、炭素原子数が4以下のオレフィンを指す。エチレンとプロピレンを中心とする低炭素オレフィンは重要な基本有機化学工業原料であり、現代化学工業の礎でもある。しかしこれがなければ、私たちの生活は現在のようではなくなる。合成樹脂、合成繊維、合成ゴムはいずれも不可欠な重要原料だ。
従来の低炭素オレフィン生産技術は、石油資源に大きく依存していた。中国工程院院士で、中国科学院大連化学物理研究所所長の劉中民氏は、「一般的に言えば、100万トン級のオレフィン工場は1000万トン級の石油精製工場でナフサ原料を賄う必要がある。だが中国は石油資源が不足しており、原油は主に輸入に依存している。中国の昨年の原油対外依存度は70%を超えており、国のエネルギー戦略の安全に深刻な影響が生じている」と述べた。
大連化学物理研究所は80年代より、DMTO触媒と工法技術をめぐり30年以上にわたる研究開発を行ってきた。触媒、反応工法、エンジニアリング・工業化セット技術などの面で一連の技術的成果を上げ、一連の発明とイノベーションを取得した。最終的に非石油資源で低炭素オレフィンを生産するDMTO技術を形成した。
劉氏によると、現在すでに産業化している技術と比べると、第3世代DMTO技術は経済性が大幅に上がっている。一方で、1セットの装置のメタノール処理能力が大幅に向上した。他方で、第3世代DMTO技術は炭素原子数が4以上の接触分解反応装置を設置せず、そしてそのメタノール原料の単位あたり消費量は第2世代DMTO技術とほぼ同レベルで、オレフィンの単位あたり生産能力のエネルギー消費量が大幅に減らせる。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年11月10日