新疆の牧畜民、自宅で北斗衛星システムを利用し牛を放牧

人民網日本語版 2021年04月06日15:17

新疆維吾爾(ウイグル)自治区阿勒泰(アルタイ)地区では青河県の牧畜民が牛の放牧時間中、自宅でゆったりと腰掛け、テレビを見ていた。彼らは外で餌を探す20数頭の牛がいなくなってしまうようなことを心配する必要は全くなかった。なぜなら牧畜民たちは、北斗衛星放牧システムを導入し、すべての牛に位置測定が可能な耳標チップを装着することで、携帯電話をチェックするだけでその位置を知ることができるからだ。どの牛が草を食べているのか、どんな草を食べているのか、どこで食べているのかがすべて一目瞭然だ。青河県は昨年10月に北斗測位放牧システムを導入し、県内の一部の牧畜民に無料で提供し、試用させてきた。今や非常に高い効果を発揮している。中央テレビニュースが伝えた。

測位の耳標チップを牛や羊の耳に取り付け、ネットワーク信号により牧畜民の携帯電話に伝送する。牛や羊のリアルタイムの距離と位置が携帯電話に余すところなく表示される。さらにワンタップで牛や羊を探す機能があり、従来からの放牧方法を改善した。

かつて牧畜民は牛の群れを探すため1日に数十キロも移動し、バイクのガソリン代だけでも毎年1万元(1元は約16.8円)ほどかかっていた。北斗を使用している牧畜民は現在、手間暇も経費も減らしている。新疆巴音郭楞蒙古(バインゴリン・モンゴル)自治州の博湖県でも、千頭以上のラクダにすでに北斗衛星測位首輪が取り付けられ、牧畜民たちは自宅で「遠隔放牧」をしている。

ラクダに北斗衛星測位首輪を取り付けているところ 画像は新疆新聞在線より

ラクダは砂漠での自由な放牧を好むため、牧畜民はこれまでラクダと共に砂漠で暮らすか、ラクダを探し出すという困難極まる仕事をしばしば行わなければならなかった。

北斗システムを導入してから、牧畜民は冬に骨身にしみる寒風に耐え、砂漠で常にラクダの後ろにくっついていく必要がなくなった。携帯電話があれば、群れの位置と移動ペースを遠隔・リアルタイムで把握できる。牧畜民は将来的に、北斗衛星測位首輪の歩数計や体温モニタリングなどの機能を活用し、すべてのラクダの健康を保証しようとしている。これによりスマートな放牧を真に実現し、合作社の繁殖規模を拡大し、より多くの人がラクダ繁殖のチームに加わるようにしていく計画だ。

このシステムはさらに動画で牛を見ることができる。牧畜民は牧場の見晴らしのいい場所に高画質望遠カメラを設置しており、7.5キロメートル先まで見通せる。ディスプレイを操作することで、北斗に牛の動画を出すように指示を出すと、カメラは牛の位置に調整され、そのリアルタイム画像を伝送する。

動画で牛を見る機能によって伝送された画面 画像は新華社より

このシステムにはさらに「電子柵」機能がある。牧畜民は同システムで電子座標を設定し、牛や羊の活動範囲を囲うことができる。この範囲の外に出ると、ミニプログラムが警報を出す仕組みになっている。

システムはさらに家畜自動飲水などの機能を追加できる。北斗技術に基づく牧井システムはクブチ砂漠で、ネットワーク信号の届かない無人エリアにおける牧井遠隔給水を可能にしている。ユーザーは北斗ケースを使い、北斗衛星に「ポンプ始動」と「ポンプ停止」を要請する。北斗衛星は要請を牧井制御側に転送し、遠隔制御を実現し、牛や羊の遠隔給水をより便利にしてくれる。

北斗システムに基づく「放牧の神器」は多くの労働力の節約を可能にした。ますます多くの牧畜民が、北斗システムがもたらす利便性と所得増加の利益を受けるようになっている。(編集YF)

「人民網日本語版」2021年4月6日

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