海外メディアの報道によると、欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)は現地時間4日、中国の科興生物製品有限公司による新型コロナウイルスワクチンの有効性と安全性を評価する審査を開始したと発表した。中国新聞網が伝えた。
報道によると、EMAが審査開始を決定したのは、実験室の研究と臨床研究の初期段階の結果に基づくものと説明している。EMAはある声明の中で、「こうした研究から、同ワクチンは抗体の産生を誘導できる」とするとともに、同ワクチンは「この疾病(新型コロナウイルス感染症)の予防に役立つ可能性がある」とした。
報道によると、EMAはさらに、その専門家が今後データの評価を行い、「ワクチンのメリットがリスクを上回るかを判断する」とした。EMAはまた、「正式な発売承認に向けた申請を支える十分な証拠が揃うまで」ローリング・レビューを続けるとともに、具体的な日程については予測できないと補足した。
EMAはすでに4種の新型コロナワクチンを承認しており、さらに3種のワクチンの審査を行っている。しかし科興公司はEUにおけるいかなる承認の申請も出していない。
同ワクチンは現在すでにブラジル、チリ、トルコを含む多くの国で接種されている。またトルコのエルドアン大統領、インドネシアのジョコ大統領、チリのピニェラ大統領を含む複数の政府首脳も同ワクチンの接種を相次いで受けている。
同ワクチンの広範な接種後、ワクチンの効果を前向きに評価する声が多方面から上がっている。
チリのクーヴ科学技術知識イノベーション大臣はこのほど、「チリ保健省が発表した同ワクチンの有効性に関する最新のデータは喜ばしいものだった。研究によると、同ワクチンは有症状感染の予防、入院治療の予防、重症化及び感染による死亡の回避に非常に効果的だ」と述べた。
米ブルームバーグも記事の中で、オーストラリアの専門家2人による同ワクチンに対する見方を引用した。
うち、同国Murdoch Children's Research Instituteのフィオーナ・リュッセル教授は「同ワクチンは重症化の予防に極めて効果的だ。医療による干渉が必要な新型コロナウイルス感染に対する保護の有効性は約84%で、中等症から重篤症への保護の有効性は100%だ」と述べた。
リュッセル氏は「これはまさに重症の患者により良い保護を提供するという、人々の新型コロナワクチンへの期待に合致する」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年5月7日