中国工程院の鍾南山院士は、広州市で24日に開かれた中国工程院2021年医学科学先端フォーラムにオンラインで出席し、変異株向けの新型コロナウイルスワクチンの研究開発に全力を尽くしていると述べた。中国新聞網が伝えた。
鍾氏は新型コロナウイルスの正確な予防について、「現在の主な問題は新型コロナウイルスの変異だ。現在現れている変異株は英国、ブラジル、ナイジェリア、南アフリカなどの地域に由来している。南アフリカに現れたb1351変異株に対して、使用中の不活化ワクチンの効果が落ちることが現在確認されている」と述べた。
健康状況があまり変わらなかった人で、同じように治療を受けたにも関わらず、症状が悪化しさらには死に至る人がいれば、すぐに好転する人もいるのはなぜだろうか。鍾氏はこの現象について、「遺伝的な感染のしやすさと密接な関係があるかもしれない」と述べた。鍾氏は各方面の力を結集し、大規模なスクリーニングによりアジア人、特に中国人の新型コロナウイルスに感染しやすい遺伝子を特定したいとしている。
鍾氏は同時に、「ワクチンの研究開発でも個体化と正確な予防に非常に注意すべきだ。ワクチン接種後の保護効果はいつまで続くか、2回さらには3回の接種で保護効果をさらに上げられるか、1回目で不活化ワクチンを接種した場合、次にmRNAワクチンを接種したほうがさらに効果が上がるのか、いかに免疫力を高めウイルス感染に対抗すべきかなど、全世界が同じような問題に直面している。これらはいずれも未解決の問題で、正確な予防と治療の理念により解決すべき重要課題だ」と説明した。
ウイルスの変異は現在、世界のコロナ対策が直面している主な問題の一つだ。鍾氏は「我々は現在、変異株向けのワクチンの研究開発に全力を尽くしている」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年4月26日