「ゲームを起源とし、インターネットの大きな流れの中で盛んになり、政策による後押しを受けた。これが中国のeスポーツ産業のたどってきた歩みであり、今ではeスポーツ産業は急成長の段階に突入している」。5月16日に開催された「健康エレクトロニック・スポーツ(eスポーツ)行動2021全国eスポーツテーマシンポジウム」で、中国インターネット協会の何桂立副事務局長はこのように述べた上で、「この急速に発展するスポーツには早急に解決すべき問題も数多く存在する。中でも、選手の健康問題が特に突出しており、不健康な生活スタイルは多くのeスポーツプレイヤーやファンにも見られる。このことがeスポーツ産業全体の長期的かつ持続的な発展に大きなマイナス影響を与えている」との見方を示した。「工人日報」が伝えた。
2003年、eスポーツは国家体育総局によって正式なスポーツ競技として認定された。ここ数年、一連の政策による積極的な後押しを受けて、eスポーツ産業はプロ化、規範化の方向へと徐々に発展している。今日のeスポーツはテクノロジー、競技、娯楽、社交の要素を一身に集めたスポーツ産業となり、ゲームメーカー、eスポーツクラブ、プロ選手、ゲーム解説、中継プラットフォームをカバーし、独特な商業的属性と市場価値を持つようになった。
現在、中国のeスポーツ・ゲームユーザーは5億人超、市場規模は1千億元(1元は約17.0円)超で、中国は世界最大のeスポーツ市場となっている。一方で、プロ選手の健康問題がこの産業の良好な発展を阻害する大きな要因となっている。
上海動感之屋電子競技倶楽部の許如竈理事長は、「eスポーツの競技日程が過密で、競争が激しく、選手は限られた選手生命の中でさらに過酷なトレーニングを強いられ、精神的に燃え尽きたり身体的に損傷を受けやすい。eスポーツ選手がよい体の状態を保とうと思えば、心を整える一連のテクニックを学ぶことがぜひとも必要だ。関係当局がeスポーツ選手の健康とスポーツ科学について専門的な研究を進めることを希望する。これが今のeスポーツ関連団体みんなが求めていることだ」と述べた。
同シンポでは、健康eスポーツ共同実験室が立ち上げられた。関係する専門家、学者、専門機関を組織して、青少年が直面する職業としてのeスポーツの健康問題について専門的な研究と実践を展開し、健康の角度からeスポーツ発展の新たなルートを探るのが設立の狙いだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年5月18日