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台風の暴風雨でも長蛇の列ができる上海の「鮮肉月餅」の店

人民網日本語版 2021年09月22日16:56

中国では中秋節(旧暦8月15日、今年は9月21日)に月餅を食べる習慣があり、上海では最近、列を作って鮮肉月餅(肉入りの月餅)を購入することが、微博(ウェイボー)の検索のトレンド入りした。

数日前、台風14号(チャンスー)が上陸し、暴風雨となったにもかかわらず、レストラン・光明邨大酒家に対する人気は影響を受けた様子もなく、熱々の鮮肉月餅や蟹粉月餅(カニみそ入り月餅)を食べるために大勢の客が何時間も列に並んでいた。

光明邨の店員によると、スペースに限りがあるため、列を作る場所を2つの場所に分けているという。そして、1度に購入できる客を7人までに制限し、他の客はその後ろで列に並ぶよう手配している。

月餅を買うために2つの場所に分かれて並ぶ人々(撮影・張楠)。

「月餅は30分に1度焼き上がり、1度に7人が買うのに十分な量しか作ることができない。早朝6時半から夜の7時まで、5つの大きな鉄板で焼き続ける。全ての客のニーズを満たすことはできず、鮮肉月餅は依然として供給が需要に追いつかない状態だ」という。

店の前で、列に並ぶ人を見守る警備員は 「鮮肉月餅を買うために少なくとも2時間は並ばなければならない。台風の影響はほとんどない」と話した。

光明邨の鮮肉月餅は鉄板の上で焼き上げる極めて珍しいタイプの月餅(撮影・李秋瑩)。

上海は、中国で最も鮮肉月餅が人気の都市だ。

フードデリバリー大手「餓了麽」の2019年のデリバリー関連統計を見ると、常住人口が全国人口の2.5%にも満たない上海で、中国全土の鮮肉月餅の53%が売れている。

オーブンに入れられる月餅(撮影・張楠)。

上海食品協会の高克敏常務副会長によると、「鮮肉月餅は元々、焼き立ての蘇州風月餅が由来。上海の食品企業が販売に力を入れているのを背景に、その影響力は、蘇州風月餅をすでに大きく上回り、それを買うために、蘇州の人がわざわざ上海に来るようにさえなっている」という。

オーブンに入れられる前の月餅(撮影・張楠)。

鮮肉月餅のおいしさは、中に入っている肉餡とサクサクとした皮にかかっている。

正統派の鮮肉月餅の肉餡はホロホロとやわらかく、肉汁がたっぷりだが、スープを楽しむ肉まん「灌湯包」のように飲めるほどではなく、ちょうど良い加減の肉汁の量となっている。

肉餡がぎっしり詰まった鮮肉月餅(画像提供・盒馬)。

ブタ肉の部位や割合、肉汁や水、ラードの量などその分量によって、肉餡の味も異なってくる。店によってそれぞれ独自のレシピを使っているため、その鮮肉月餅の味も異なってくるというわけだ。

オーブンに入れる月餅に照り用の卵黄を塗る調理師(撮影・張楠)。

蘇州風月餅は何と言ってもそのサクサクとした皮が特徴だ。出来立ての鮮肉月餅をほおばれば、サクサクとした皮の中から柔らかでジューシーな肉餡が出てきて、美味しさが口の中に広がる。

サクサクとした皮が特徴の鮮肉月餅(画像提供・新雅粤菜館)。

鮮肉月餅は、焼いた「肉まん」とは異なり、表面はサクサクとした蘇州風月餅と同じ方法で作られている。

その焼き方にも鉄板でひっくり返しながら焼く「烙」とオーブンの中で焼き上げる「烤」の2種類があり、前者は皮がパリパリサクサクであるのに対して、後者はやや柔らかいサクサク感を楽しむことができ、それぞれ好みで選ぶことができる。

焼きたての鮮肉月餅(撮影・張楠)。

認定資格「中餐行政総厨」を取得し、資深級中国烹飪大師にも認定されている新雅粤菜館の黄任康さんは取材に対して、「若い消費者の好みに合わせて、当店は今年、藤椒魚肉月餅を打ち出した。魚の身の食感と、舌がしびれるような辛さがハーモニーとなり、とてもおいしい。もともとは及び腰だった消費者も食べてみると『おいしい』と絶賛している」と話した。 (編集KN)

「人民網日本語版」2021年9月22日

上海の老舗・新雅粤菜館の藤椒月餅(画像提供・新雅粤菜館)。

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