英学術誌「中国の高速鉄道網が交通業界の排ガス減少に寄与」

人民網日本語版 2021年10月28日10:04

交通当局の二酸化炭素(CO2)排出削減は、世界の排ガス減少の取り組みにおいて極めて重要な位置を占めている。25日付の英学術雑誌「ネイチャー クライメイト チェンジ」に掲載されたシンガポールの学者の研究によると、2008年から2016年までの中国の高速鉄道網拡張は、交通輸送業界のCO2排出を極めて大きく減少させたとしている。同研究によると、排ガス減少実現の主な原因は、高速鉄道網形成により、従来の鉄道の輸送能力が発揮され、道路による貨物輸送が、従来の鉄道による輸送へと切り替わったことだ。同研究は、「高速鉄道システムの温室効果ガス排出削減における役割を分析する初の貢献」と見なされている。科技日報が伝えた。

国家交通モニタリングデータと統計学の方法を活用し、シンガポール国立大学の研究者・秦雨氏とその同僚らは、中国が2008年から2016年までの高速鉄道網拡張を通して、道路による旅客や貨物の輸送量を減少させたほか、削減した温室効果ガスの年間排出量が、二酸化炭素1476万トン分に匹敵することをデータで証明した。高速鉄道の温室効果ガス排出削減に対する寄与により、このような代替効果が得られた。この数字は、中国の交通輸送業界の温室効果ガス総排出量の1.75%に相当する。

研究者は、排ガス減少は、貨物輸送が、道路から鉄道に切り替えられたことが主な原因であり、旅客が高速鉄道を利用するようになって間接的に生じた結果でもあると分析している。また、さらにグリーンな電力の供給により、高速鉄道がもたらすクライメートポジティブがさらに強化される可能性があるとしている。

スイス・チューリッヒ大学の科学者は、論文と共に発表した文章の中で、「この研究は、高速鉄道システムの温室効果ガス排出削減における役割を分析する初の貢献と言え、非常に重要な見解が示されている」との見方を示している。

現時点で、世界公認の高速鉄道技術強国は、中国や日本、ドイツ、フランスで、米国、カナダといった国もその技術を研究開発し、それらの国に迫ることのできる基礎的実力を備えている。また2020年末の時点で、中国の鉄道の営業距離数は14万6000キロで、うち高速鉄道が3万8000キロに達し、世界一の長さを誇っている。(編集KN)

「人民網日本語版」2021年10月28日

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