2021年1月6日、浙江省金華市にある宅配便・順豊の営業部では、配達員が包装用の箱を「宅配便包装資材回収エリア」に入れる様子。(撮影・人民図片 李建林)
ここ数年、ECの発展に伴って、宅配便業界のグリーン化、減量化がますます注目されるようになった。包装資材の減量や循環利用から輸送システムの最適化までを、中国の各主管機関、郵便・宅配便業務を扱う企業、消費者など多方面が協同で推進し、宅配便業界のグリーン化プロセスも加速し続けている。
北京市朝陽区に住む女性の何さんは数日前、職場で宅配便の配達員からの電話を受け、ECサイトで買った果物が届いたという。商品をドアの所に置いておくように頼むと、配達員から「保冷ケースは絶対に捨てないでください。午後に回収しに来ますから」と念を押された。
何さんがよく利用するこのECサイトが循環利用できる保冷ケースを使うようになってから数年がたつ。何さんは、「よく買うのはサーモン、タラ、羊のリブ肉で、どれもこういう保冷ケースに入っている。品物が届くと、中身を出し、ケースは配達員が持ち帰っていく」と話した。
2021年1月7日、安徽省の桐城経済技術開発区の双新産業パークで、従業員が生分解性プラスチックの袋を生産しているところ。(撮影・人民図片 江勝)
このような循環利用できる宅配便用保冷ケースは、郵便・宅配便企業の宅配便包装グリーン化の試みの一つだ。業界関係者の話によると、宅配便の包装には主に6種類の資材が使われている。商品の入っている袋などが10%を占め、箱などの入れ物が55%、プラスチックの梱包材が34%になる。そのほか、詰め物、テープ、中身を分ける仕分け袋があり、種類は多く、容量も大きい。宅配便の包装資材の減量化推進は、グリーン包装作業の重要な内容だ。
ある郵便・宅配便企業の倉庫管理者の話によると、今年の「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)期間には、この企業の倉庫の循環型包装箱の1日あたり使用量が5万個を超え、これまで毎日20万個を超えていた紙箱とプラスチック梱包材に取って代わった。もう一つの郵便・宅配便企業はECサイトと共同で包装資材の回収を奨励するスポットを6万ヶ所、使用済み包装資材の循環利用テスト事業を行うスポットを1万ヶ所設置したほか、さまざまな形で宅配便の包装資材の回収を奨励・推進している。
ここ数年、宅配便の包装のグリーン化、減量化、循環化を推進するために、中国国家郵政局はEC法などの法律において宅配便の包装のガバナンスに関連する条項を加えるよう推進し、宅配便企業がグリーンな包装などの重点分野をめぐってテクノロジーイノベーションを強化するよう誘導している。また複数の条項を通じて、宅配便の生産や作業に関連する要求を明確にし、廃棄された包装資材の回収と再利用を安定的に推進している。
宅配便の伝票の電子化、包装資材減量化などの方法を通じて、中国の宅配便業界のグリーン化、減量化の模索はすでにある程度の進展を遂げている。2020年には電子伝票が従来の紙の伝票に代わり、A4サイズの紙を約833億枚分節約できたことに相当する。段ボール箱の紙の厚みは5層から3層かそれ以下に減り、包装用ビニール袋も0.06ミリメートルから0.03ミリに薄くなり、テープの幅は60ミリから45ミリかそれ以下へと細くなった。
2021年11月7日、山東省青島市の青島順豊華駿分配センターで、全自動化スマート仕分けシステムが宅配便をスピーディに仕分けしていた。(撮影・人民図片 梁孝鵬)
同局は、郵便・宅配便企業が営業所に基準に合致した包装資材廃棄物回収装置の設置推進を通して、回収した後も状態がきれいで基準をクリアした包装用箱や詰め物などは繰り返し使用する、郵便・宅配便企業の配達員が顧客の家まで引き取りに行ったりステーションに行ったりして資材を回収するよう指導することなどを通じて、郵便・宅配便の包装資材回収という「逆方向の物流」モデルの構築を模索している。現在、全業界で循環型宅配便用箱が380万個使用され、箱、袋、詰め物の量が効果的に削減されたという。
環境に配慮した宅配便包装資材の推進と応用が進むかどうかは、使用する習慣があるかどうかも関係してくる。消費者に包装資材の回収に参加するよう呼びかけるため、郵便・宅配便企業の中にはECプラットフォームと提携してグリーン回収ボックス1万3千個を新たに設置したところもあり、今年の「ダブル11」期間は毎日新鮮な卵50万個を準備して、箱の回収に協力した消費者にプレゼントしたという。
同局の関係責任者は、「今後、国家郵政局は宅配便の包装資材のグリーン化ガバナンスを全面的に推進し、法規・基準・政策体系を整備し充実させ、宅配便の包装資材のグリーン化、減量化、循環化を持続的に推進する」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年11月16日