六中全会

ヒョウのアイコンからスマホケースまで 若者の「一攫千金」哲学

人民網日本語版 2022年01月28日16:28

今年は寅年なのになぜかヒョウが爆発的人気だ。数多くの若者が微信(WeChat)のアイコン画像をキラキラ輝くヒョウに変えている。

このキラキラのヒョウは「西遊記」に登場するヒョウの妖怪「南山大王(豹子精)」がモチーフで、ネットユーザーたちが素晴らしい生活への憧れの気持ちをこのヒョウに託している。というのも、中国語で「ヒョウ」は「金銭豹」と言い、「豹」の発音が「一攫千金」を意味する「一夜暴富」の「暴」の同じ発音だからだ。さらに「物を抱える」の「抱」と「豹」も同じ発音なので、「お金を抱える」という縁起の良い意味にもなる。

「これまでこういう願掛けみたいなのは信じていなかったが、先週、職場の新年会でプレゼント抽選会があった時、抽選にはやっぱり運が必要だよねと言って、同僚たちがそろってアイコンをヒョウに変え、運気を上げようとしていた。それを見て自分もアイコンをヒョウにした」と話すユーザーがいる。

昔から、幸福を願うのは春節(旧正月、2022年は2月1日)の伝統的な風習の一部で、人々はウキウキした気持ちで年の初めに新年の幸運を願う。インターネット時代になると、若者がSNSプラットフォームのさまざまな場面で新年の特別感を表すようになり、「アイコン画像に願いを込める」ことはすっかり珍しくなくなった。

「キラキラ輝くヒョウのアイコン画像」は、「一攫千金」を心から願う若者の姿を映し出すと同時に、業者が利益を獲得するための秘密のカギでもある。ネットショッピングプラットフォームで「暴富」と検索してみると、おめでたいムード満載のアイテムが次々に登場してきた。ミルクティケーキもあればスマホケースもあり、衣食住・移動のあらゆる場面をカバーする。SNSプラットフォームで「暴富」と検索すれば、占いブロガーが星座別に「一攫千金の可能性」を分析してくれ、起業ブロガーは「一攫千金の近道」をすすめてくれ、さらには生活ブロガーなどは「一攫千金に向けてよい生活習慣を身につける」ためのサポートまでしてくれる。

スマホの画面いっぱいに広がるキラキラのヒョウの画像アイコンが本当に富を呼び込むかどうかはともかくとして、多くの人がここに共通の楽しみを見いだし、共感を覚えている。このアイコン画像の背後には、多くの人の年末の仕事のストレスや家庭におけるプレッシャー、また1年過ぎ去ってしまったことへの焦りといった感情があるのかもしれない。

「一攫千金」を実現できると、みんな本当に信じているのだろうか。「みんな義務教育を受けているし、科学を信じているよ」というのが多くの人の答えだ。

勢いよく発展する時代が私たちにチャンスを与えてくれると同時に、一攫千金の神話を次々に打ち砕いてもきた。表舞台に立てるのは、激しい競争を勝ち抜いた起業家やクリエイティビティあふれる人材だけという事実が、現実の中にしっかり根を張り、未来と夢に向かって努力しなければならないことを若者に教えてくれる。長い目で見れば、楽をして成功した人などいない。一攫千金の神話の裏側には必ず地道に苦労を重ねた日々があり、苦労したからこそ大輪の花を咲かせることができたのだ。

一攫千金の確率はいつだってとても低い。夢を見るのはいいが、他人の「一攫千金」の妄想をかき立てるのは一種のペテン行為かもしれず、その人をより貧しくする可能性もある。地に足を着けてコツコツ働くこと、これこそが圧倒的多数の人々にとって富を手にするための確かな道のりだ。(編集KS)

「人民網日本語版」2022年1月28日

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