「中国で金を買うならここ」と言われる北京菜市口百貨股フン有限公司(フンはにんべんに分)は、これまでずっと中国の中高年女性が金を買いによく来る場所だった。最近、金価格が大きく変動する中で同社の商業施設に行ってみると、女性たちが金価格チャートを片手に金を買う様子が見られた。「証券日報」が伝えた。
11月の北京はだんだん気温が下がり、金価格も同じように「温度」が低下した。そうした背景の中、同社商業施設の金売り場の1階ロビーは金を買う人で押すな押すなの大繁盛とは言えないまでも、あたりには「金を買おう」とするムードが漂っていた。店員の話では、「ここ2日ほどの間に金価格が低下し、中でも投資用の金価格は1グラム400元(1元は約15.9円)を割り込み、一部アクセサリー用の金価格も同500元以下になり、これを受けて金投資に意欲的な消費者が大挙して金を購入している」という。
最近、基本的な状況が変動している影響で、国際市場では金価格が低下し、現物の価格も同じように低下した。店員によると、「ここ2日ほどアクセサリー用の金の価格が低下して、1グラムあたり498元から540元まで様々だ。価格に幅があるのは金価格に幅があるのではなく、アクセサリーの加工法の違いによるものだ。例えばネックレス、干支の飾り物、仏像、ブレスレットなどは加工レベルが高いため、相対的に価格も高くなる。一般的に指輪や装飾品などの加工レベルが低い金アクセサリーは、価格もそれなりに低い。ただ、こうしたアクセサリーは投資商品にはならない」という。
エスカレーターで4階に行くと、一面のディスプレーが目に入ってきた。国際市場の金価格と金の投資価格がリアルタイムで示され、各タイミングでの金価格チャートも表示されていた。カウンターのスタッフの話によると、「売り場の金価格は時間帯によって変動し、参考になるのは国際市場の金価格と上海金取引所の価格だ。消費者がこの価格でと確定した後、1分後に決済をするときに価格が変わった場合、うちでは一般的に約定価格で取引をする。しかし、こんな状況もあり得る。決済時の価格が約定価格よりも高い場合は、約定価格で代金を受け取り、決済時のリアルタイム価格が約定価格よりも低ければ、最低価格で取引をし、お客様の利益をしっかり保障する」という。
売り場の店員と話をしていると、ある中年の女性が銀行カードを手にして、「あとさらに100グラムちょうだい」と叫んでいた。女性は近くにある金価格チャートを指し示しながら、「ほら、最低価格になったでしょう?今買わないでいつ買うの?」と話した。
会計係の話では、「100グラムはそれほど多い量ではない。ああしたお客様はみんな投資用に金を買い、この規模の投資は珍しくない。当社で金投資をする場合は、身分証明書を提示してカードを作ることになっており、購入した金の数量がカードに記録される。金現物に交換したい場合は、1ヶ月前に申請する必要がある。現物を受け取ることもできるし、カードを通じて売買することもできる」という。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年11月16日