最新の研究報告書によると、スマートコネクテッド技術の発展に伴い、自動車のスマート化の進化ペースが上がっており、携帯電話に続く新たな「モバイルスマート端末」になっている。データセキュリティは自動車メーカーによるスマート化競争の新たな「分水嶺」になる。中国新聞社が伝えた。
J.D. Powerは9日に発表した「中国人消費者によるスマートコネクテッドカーのデータセキュリティ及びプライバシーに関する意識・懸念調査2022」報告書の中で、自動車のスマート化に伴い現れたのは、自動車が毎日生成する大量のユーザーデータだと指摘した。現在ますます多くの企業がバックエンドでこれらのデータを収集・使用し、製品の改良や体験の最適化などを行っている。大量のデータが収集・共有・使用されると、個人のプライバシーに潜在的なリスクをもたらしている。
同調査報告書によると、敏感な個人情報がスマートコネクテッドカーによって収集・使用・共有されることを非常に気にする回答者の割合は77.4%にのぼった。うちユーザーは個人情報、車内カメラが撮影した画像、個人の生体認証データ、地理的位置、ルート情報に最も敏感だ。
「敏感な個人情報の共有を前向きに検討するシチュエーションは?」という設問に対して、大半のユーザーが走行安全及びルート計画に関するシチュエーションを選択した。トップ5のシチュエーションは下記の通り。(1)速やかに衝突注意と緊急救援を受け、走行安全の確保(73.7%)(2)渋滞回避、走行ルートの正確な計画(53.5%)(3)車両の故障チェック(41.7%)(4)事故原因の調査(38.1%)(5)付近の店、ガソリンスタンド・充電スタンド、駐車場などの情報の検索(36.8%)。
関係機関の予測によると、中国のスマートコネクテッドカーの浸透度は2020年の段階で15%前後だったのに対し、25年には75%を超え、世界市場の平均水準を上回る見通しだ。今後数年で中国のスマートコネクテッド新車市場が爆発的な成長を迎えるだろう。
同調査報告書によると、回答者の9割超(94.6%)に、データセキュリティと敏感な個人情報保護を重視する自動車ブランドを選択する傾向がある。うち、データセキュリティ保障能力の高い自動車ブランドを「必ず」購入する消費者は54.6%。
同報告書は、スマートコネクテッドカーに対する社会一般の注目度の向上に伴い、データセキュリティがユーザーの自動車購入決定に影響を及ぼす重要な要素になりつつあるとともに、自動車メーカーのスマート化競争の「分水嶺」になっていると指摘した。これは将来的に、データセキュリティが自動車メーカーのコアコンピタンスになることを意味する。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年3月10日