山西省考古研究院は16日、中国、米国、日本、ドイツなど複数の国のテクノロジーを利用し、今から千年以上前の損傷が深刻な隋代栖岩道場舍利塔碑を復元したと発表した。これは文化財の保護・修復の新たなアプローチを開拓した。中国新聞網が伝えた。
台座と本体を分離させ、本体を横置きにする石碑保護・修復実施プラン。画像提供は山西省考古研究院
この碑は台座がほぼ完全な状態で、屋外で保存されていた。表面が腐食し、多くの割れ目がある。局部には少量の落書きや鉄さびなどの問題がある。本体は損傷が深刻で、屋内に保存されていた。主に欠け、断裂、長年のチリやホコリなどの問題がある。特に断裂が最も深刻で、破片が百個以上ある。
この台座と本体を比較的安定した安全な状態にするため、文化財従事者は問題調査を踏まえた上で、材質、問題、材料、及び有限要素解析の結果を結びつけ、台座と本体を分離させ、本体を横置きにする石碑保護・修復実施プランを決定した。そして洗浄、接着、補修など一連の石質文化財保護・修復措置により、元の姿をほぼ復元した。
本体は損傷が深刻で、破片が百個以上ある。画像提供は山西省考古研究院
その際に文化財従事者は米国と中国のテクノロジーを使い、それぞれ台座と本体に対して、大きな欠片のデジタル化採集を行い、石碑の各部分の保存の現状を記録した。同時に日本やドイツなどの国のテクノロジーを用い、成分、岩相、微細形態などの分析を行った。
山西省考古研究院の関係責任者によると、有限要素解析は文化財の保護・修復において広い応用の見通しがあり、文化財保護・修復の科学性の推進と向上に対して重要な推進的役割を果たすという。
隋代栖岩道場舍利塔碑は現在、山西省永済市博物館に収められている。内容は隋文帝の仏教復興、舍利塔の建設が中心。隋代蒲州の仏教及び仏寺の発展を理解するための重要な実物資料を提供している。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年3月17日