中国初の細胞培養「豚バラ肉」が誕生

人民網日本語版 2022年06月28日10:39

中国初の筋肉幹細胞培養肉(資料写真)

2022年6月10日、中国で動物から採取した細胞を培養して作った初の「豚バラ肉」が誕生した。

同じ日に、米国のスタートアップ企業のEat Just(イートジャスト)がアジア最大規模となる細胞培養肉工場の工事に取りかかった。建設される場所はシンガポールだ。

シンガポールは農産物の輸入依存度が極めて高い状況を変えるため、世界で初めてレストランで細胞培養肉を出すことを認めた国だ。培養肉のような実験室で「育った」肉は地域資源の制約を受けず、地元で安定的に供給することが可能だ。

従来の牧畜業と比較して、実験室で「育った」細胞培養肉は環境保護にもメリットがある。というのも、牧畜業・養殖業は温室効果ガスをかなり多く排出しているからだ。研究によれば、従来の食肉生産方式に比べ、培養肉ならエネルギー消費量を30-50%削減し、温室効果ガスの排出量を70-90%削減し、土地の使用も90%以上削減することができる。

よく知られるようになった植物肉に比べ、細胞を培養して作った培養肉はより肉らしい味がして、本物の肉により近づいたと言える。今回、中国初の細胞培養肉を開発した南京農業大学の教授で国際食品科学院の院士である周光宏氏は以前、「ビジネスという観点で見ると、培養肉の技術が牧畜業の10分の1に取って代わることができれば、その生産高は1兆元(約20兆2千億円)にも上る」と述べている。

しかし現在、1兆元産業となるはずの細胞培養肉産業はスタートしたばかりで、研究開発成果の大半が実験室の中にとどまり、大規模製造工場の建設を進めている企業は少数だ。大部分の人にとって、細胞培養肉はまだ目新しい概念に過ぎない。(編集KS)

「人民網日本語版」2022年6月28日

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