中国製の暖房器具が欧州で大人気になり、輸出注文が「爆増」している……今年の冬は、ギリシャ、ドイツをはじめとする欧州諸国で、暖炉などの昔からある暖房器具よりも、電気毛布などのより経済的な暖房設備を選ぶ人が増えている。ある欧州の消費者は取材に、「電気毛布は消費電力が少ないので、電気代も安く済む」と話した。
日用雑貨卸売市場の義烏国際商貿城に出店する金菊仙さんは、10平方メートル前後の店を経営している。主に扱われている暖房器具の中で、あるコンパクトな白い暖房器具の人気が高く、「今年は数万件の注文があり、9月だけで1万台以上売れて、2021年同期の2倍になった。増加した分の大半が欧州からの注文によるものだった」と話した。
今回の暖房器具の欧州での人気は長く続いている。金さんは、「暖房器具は輸送に時間がかかるので、例年は一番遅くても9月には基本的に受注が来なくなるものだが、今年は販売台数が伸びただけでなく、販売期間も大きく延びており、冬になっても受注が入っている」と説明した。
浙江省慈渓市は「家電の都」と呼ばれ、電気暖房器具の工場がたくさん集まる場所だ。同市の100社を超える暖房器具メーカーが製造する製品で、中国全土の輸出量の3分の1近くを占める。寧波税関がまとめた統計によると、今年第1-3四半期(1-9月)の同市の暖房器具輸出額は前年同期比12.6%増の40億6200万元(1元は約19.0円)に上り、そのうち欧州連合(EU)諸国への輸出は同34.8%増の18億6700万元だった。
欧州諸国で暖房器具のニーズが大幅に高まった後、中国企業がビジネスチャンスを素速くつかみ、市場の空白を埋めることができたのはなぜか。このことは中国企業が市場ニーズを知り抜いて、新製品を積極的に開発したことと切り離せない。義烏で働く外国人ビジネスマンのマリオさんによると、中国の製造業のビジネスマンと企業家は嗅覚が鋭く、反応が速いという。
暖房器具をはじめとする中国製の電器製品が「ネットの人気者」から「長期的な人気者」になるにはどうすればよいか。中国電子情報産業発展研究院(CCID)戦略研究センターの孫海堯研究室長は、「長い目で見れば、企業は独自ブランドの確立に引き続き力を入れ、海外市場でのシェアを絶えず拡大する必要がある。今後は、地域ブランドの認知度を高め、ユーザー層の基礎固めをすることが、中国家電メーカーが大規模な海外進出を行うための重要なルートになる」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年12月23日