中国が「世界一の人口大国」の座をインドに譲るとどうなるのか?

人民網日本語版 2023年01月03日16:14

インドの人口が来年4月中旬に、中国を抜いて世界最多になるという国連の予測が最近、大きな注目を集めている。中国新聞社が報じた。

中国とインドは人口大国で、過去70年にわたり、その人口の総和が世界人口の3分の1を占めてきた。

では、インドの人口が中国を超えるのはなぜなのだろうか?南開大学経済学院の教授である、南開大学老齢社会治理戦略研究センターの原新主任は、「主に、両国の出生率の差が理由」と説明している。

報道によると、20世紀後半、インドの人口は急増の一途をたどり、増加率は年間平均2%に達した。1947年の独立後、インドの人口は10億人を超え、この先40年間にわたっても増加し続けると予測されている。

一方、中国を見ると、第7回国勢調査では、人口は14億1178万人だった。2010年の第6回国勢調査と比べると、5.38%増で、増加率は年間平均0.53%にとどまっている。

インドの人口が中国を抜くことについて、原主任は、「これは、人口増加の法則の結果だ。しかし、その結果を経済的ボーナスへと変換できるかは、じっくり分析してみないと分からない」との見方を示す。

インドに人口ボーナス到来?

原主任は、「インドにとって、以下の2点がメリットと言える。まず、人口の規模がより拡大することで、ポテンシャルのある市場もまたさらに大きくなる点。次に、労働者数が増加し続けており、高齢化が加速しているものの、その程度は依然として低い点だ。人口の年齢構造が若いため、ヒューマンリソースをベースとした人口面でのチャンスに踏み出す段階に進みやすい」と分析する。

ただ、「それらの潜在的メリットが、自動的にGDPへと変わるわけではなく、経済と社会面での正しい政策や施策がなければ、経済発展へと変わる結果とはならない。インドには潜在的人口メリットがあるものの、たくさんの弊害を見逃してもならない。例えば、教育の発展水準のアンバランスさや、都市化の水準が低いこと、貧富の差が激しいことなどが挙げられる」と指摘する。

上海国際問題研究院中国・南アジア合作研究センターの劉宗義秘書長は、「インドがその潜在的人口ボーナスをうまく利用し、経済成長の原動力へと変換できるかは、根本的に言うと、インド政府が効果的な経済と社会、教育面の政策を打ち出し、徹底して実行できるかにかかっている」と指摘する。

「世界一の人口大国」の座をインドに譲ると中国はどうなるのか?

劉秘書長は、「過度に心配する必要はない。人口ボーナスは人口だけでなく、国の政策や関連する施策が、人口の入れ替わりや発展の動向に適応できるかにもかかっている。中国の人口基数は十分に大きく、人口の質、特に労働者の質をさらに効果的に向上させることができれば、科学技術の要素が経済発展において果たす役割が高まるにつれて、中国の労働人口の減少がもたらす損失は、労働者の質によってカバーされるようになるだろう」との見方を示している。

原主任は、「近い将来、世界一の人口大国の座をインドに譲っても、中国は依然として強大な優位性を持ち続ける」との見方を示す。

まず、人口が多少減ったとしても、中国は依然として人口大国であり、調整を通して国内外の市場を盛り上げ続けることができる。

次に、労働者数は減少していても、その規模は依然として巨大で、中国に人口ボーナスを開発する余地を残している。中国の高齢化は継続して深刻化しているものの、60‐69歳の高齢者が高齢者全体の半数以上を占めており、それをチャンスに変えることができる。

3つ目に、中国は現在、ヒューマンリソース大国からヒューマン・キャピタル大国へとモデル転換している。ヒューマン・キャピタルは経済成長の持続性ある強力なエンジンだ。近年、平均寿命が伸び、健康状況が改善され、教育が急速に発展しているといった変化が、ヒューマン・キャピタル全体の向上に、非常に優れた条件を作り出している。(編集KN)

「人民網日本語版」2023年1月3日

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