中国国家衛生健康委員会老齢司の王海東司長は、このほど、「高齢者が病院を受診しやすいように、政府は複数の対策を講じている」とした。中国青年報が報じた。
2021年末の時点で、中国全土で老年医学科を開設している二級以上の総合病院は4685院あった。2025年をめどに、60%以上の二級以上の総合病院で老年医学科が開設される計画だ。その他、中国の高齢者にやさしい医療衛生機関は約2万1000ヶ所となっている。
中国で今後しばらくは、人口高齢化が進み続けるというのが流れになると見られている。中国の人口高齢化には、高齢者が多い、ペースが速い、差が大きい、舵取りが難しいという特徴がある。都市部と農村部に分けて見ると、都市部の高齢者数が農村部よりも多いものの、農村部の高齢化の程度は都市部より深刻となっている。2020年の時点で、60歳以上人口が20%以上を占める中国の省は10省あり、主に東北エリアや四川省、重慶市などに集中している。
人口高齢化への積極的な対応は現在、国家戦略にまでステージが上がっており、王司長は、「健康な高齢化が、コストが最も安く、効果が最も高い人口高齢化対応策となる。健康な高齢化というのは、高齢者の内在的能力を守り、その外部的環境を改善し、健康寿命を延ばすことだ」と説明する。
健康な高齢化事業を推進するために、国家衛生健康委員会は、シルバー健康サービス体系を構築するための政策文書を発表し、健康教育、予防・保健、疾患診察・治療、リハビリ・介護、長期介護、緩和ケアが「六位一体」となった連続的で、都市部と農村部をカバーする総合老年健康サービス体系を構築し、整備するという明確な目標を掲げている。
また、中央財政・移転支出項目に初めて老年医学の人材育成が組み込まれ、全国高齢者健康情報管理システムの運営も始まった。そして、高齢者健康統計調査制度が制定され、第1回高齢者健康素養調査が実施されたほか、高齢者健康基準専門委員会が設置され、高齢者の健康という分野の基準、規範制定が推し進められている。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年10月13日