太陽光発電所で羊を放牧 青海省

人民網日本語版 2023年01月31日13:33

青海省海南蔵(チベット)族自治州共和県鉄蓋郷下合楽寺村は、青海湖南岸に位置する悠久な歴史を持つ牧畜業村だ。村がある鉄蓋郷南東部は、黄河上流の龍羊峡ダムエリアと境界を接しているが、南西方向は尽きることなく広がるゴビ砂漠地帯だ。1980、90年代に、この数百平方キロメートルの牧草地は、干ばつや過度な放牧により砂漠化した。新華社が伝えた。

2000年前後に国は牧草栽培、砂漠化対策、放牧禁止などの一連の重点生態プロジェクトを実施し、現地の人々を率い生態・生産の二重の苦境を脱した。下合楽寺村党支部書記の陳列東主氏は、「砂漠に草が生えたが、放牧禁止の補助金は人々が良い暮らしを送るには遥かに足りなかった。長年にわたる貧困や砂嵐との戦いにより、人々は草をより増やし羊をより多く飼育することこそが、発展の新たな方向であることを深く認識するようになった」と述べた。

2012年、海南蔵族自治州は、恵まれた日照資源、広い面積の砂漠化土地資源、黄河上流の水力発電資源に立脚し、1000万kW級新エネ拠点の建設に取り組んだ。わずか数年でゴビ砂漠に面積300平方キロメートル以上の太陽光発電パークが建設された。太陽光発電、風力発電、光熱企業が続々と入居し、現在の設備容量は1万5880MWにのぼっている。

パネルの上で発電し、パネルの下で羊を放牧。2015年、最初にパークに入居した国家電投集団黄河上流水力発電開発有限責任公司は鉄蓋郷と契約を結び、下合楽寺などの村の計16の牧畜業者の600頭余りの羊をパークに入れ、無料で放牧した。パークはその後、より多くの入居企業の需要に基づき牧畜業者を持続的に増やした。飼育中の「太陽光発電羊」は2万頭を超えた。さらに太陽光パネル洗浄や警備などの雇用枠を設け、村人の収入ルートを増やした。

「太陽光発電羊の1キログラム当たりの価格は一般的な羊を10元(1元は約19.3円)近く上回り、春節前に値上がりが続いていたが、それでも供給が追い付かなかった」。共和県倒淌河鎮元者村の村人である多才さん(56)はすでに太陽光発電羊の放牧を3年以上行っている。「夏のパークは安全で、草が高く密で、羊がよく育つ上、発電所の安全リスクも解消できる。冬は村に帰り、厩舎で飼育する。毎年の収入は10万元近くにのぼる」と多才さん。(編集YF)

「人民網日本語版」2023年1月31日

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