香り高いお茶を飲みながら世の中のことをあれこれおしゃべりし、「稍麦」(シュウマイ)をつまんで青城(呼和浩特<フフホト>の別名)ならではの美食を味わう。ここ呼和浩特では、約430年の歴史を持つ「帰化城」がこの地に築かれた頃から、すでに稍麦はあった。稍麦は今では呼和浩特市を代表するグルメとなり、中国全土にその名を知られている。「ほかの場所ではこの味は出せない。うちのお客さんは隣近所の人が多くて、お客というより友達と言ったほうがいいかな……」。稍麦の話になると、料理人になって26年、シュウマイ店を開いて14年になる王志強さんはこんな風に語り始めた。
呼和浩特風のシュウマイ「稍麦」を味わう人民網のスペイン人スタッフのアルバロさん(撮影・袁蒙)。
毎日早起きして稍麦館へ行ってお茶を飲み、世間話をし、稍麦を味わうことは、呼和浩特市民ならではの「早茶」文化だ。「稍麦館には、呼和浩特の旧市街の習慣や雰囲気が一番よく残っている。テーブルを並べておしゃべりに花を咲かせる時に味わっているのは稍麦だけではなくて、呼和浩特ならではの暮らしの香りも味わっている」と王さん。北京で何年か働いた後、ためらうことなく故郷に戻って起業した王さんが守り続けているのは、「ほかの場所では出せない」味だけではなく、この稍麦館にあふれている「人情味」だ。
やると決めたことをずっと続け、店が生き残っていくためには、本当に良い材料を使うことが前提となる。王さんは「最後まで丹精込めて」という言葉をよく口にする。そして、皮と肉餡を別々にパッケージする新しい包装方法とEコマースのコールドチェーンの発展に伴って、王さんは「小さなシュウマイ屋」の経営をさらに大きくし、稍麦というご当地グルメを中国全土へと広めていった。「将来的には、海外に暮らす呼和浩特出身者にもEMSでふるさとの味を届けたい……」。将来の事業展開について話す王さんからは、強い自信が感じられた。(編集AK)
「人民網日本語版」2022年12月16日