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マラソン大会のメダルに見る中国文化の要素

人民網日本語版 2023年03月21日15:45

マラソン大会はここ数年、中国で人気が高まり、マラソンに注目する人や大会に参加する人がますます増えている。そしてこれらの大会のメダルには中国文化の要素を取り入れたデザインが多く、伝統文化の独特の風格を今に伝え、ランナーをたたえると同時に、開催都市を紹介している。小さなメダルには、都市の文化や記憶がたくさん詰められているのだ。ここではそんな中国各地で開催されているマラソン大会のメダルの数々を紹介していこう!

一、2023年蘇州マラソン大会のメダル

このメダルは江蘇省蘇州市にある伝統的な庭園で用いられている海棠の花の形をした窓をデザインのヒントとしており、メダルに施されている模様は、デザイナーが「大運河」をイメージして描いたオリジナリティ溢れるデザインで、中国らしさと現代的デザインを見事に融合させている。

(写真提供・蘇州マラソン大会の公式アカウント)

二、2022年北京マラソン大会の完走メダル

このメダルはスタート地点である北京市の歴史ある建造物の天安門をデザインしており、さらにその城門を開け閉めすることができるというアイデアが盛り込まれている。城門を開けると右側には「北京馬拉松(北京マラソン)」の文字が刻まれている。また城門の両側の2本の柱には、柱を昇る精巧でリアルな竜がデザインされている。

(写真提供・北京マラソン大会公式サイト)

三、2022年無錫マラソン大会のメダル

このメダルは上半分がくぼんでいるデザインで、それはまるできれいな水がさらさらと流れる湖の浅瀬のようだ。下半分にはその湖面に静かに浮かぶような蓮の葉に、桜の花が添えられている。裏側にデザインされている羽ばたく鳳凰は、江蘇省無錫市で出土した戦国時代の越の国の玉器「玉飛鳳」を基にデザインされており、無錫における歴史の伝承と文化の奥深さを表現している。

(写真提供・無錫マラソン大会公式サイト)

四、2022年成都マラソン大会の完走メダル

このメダルは中国の伝統文化における「窓花(切り紙)」をその意匠としており、透かし彫りが視覚的に奥行きを感じさせる強いインパクトを与えるだけでなく、伝統的な要素となる「太陽神鳥」のイメージも取り入れ、四川省成都市にみなぎる活力を表現している。

(写真提供・成都市体育局)

五、2021年黄河口(東営)マラソン大会の完走メダル

このメダルは一般的なメダルとは異なる形態のデザインを採用しており、黄河の流れの躍動感と優美さをデザインしているだけでなく、「黄河の水が海に流れ込む」という意匠を表現している。表側には湿地と油田の要素が取り入れられ、開催都市である山東省東営市の特色を表現している。羽を広げて空高く飛ぶ鳥の要素には、人と自然の調和・共生の意味が込められている。

(写真提供・黄河口<東営>マラソン大会の公式アカウント)

六、2020年広州マラソン大会の完走メダル

このメダルは中国の嶺南文化を代表する「醒獅」を主な要素として、たゆまず努力する精神を表現し、知恵と勇敢さのイメージが人々を一つにし、精神を奮い立たせる重要な役割を果たしている。獅子の周りを縁取るようにデザインされた湧き上がる波頭には、参加者が波と風に乗るように軽やかにコースを駆け抜けてほしいとの願いが込められている。

(写真提供・広州マラソン大会公式サイト)

七、2022年紹興マラソン大会の完走メダル

このメダルは明代の儒学者である王陽明がかぶっていた官僚の帽子と文化財の「会稽銅鏡」をそのデザインのベースにしている。表側の上半分には大会のロゴマークと王陽明が唱えた思想「知行合一」の4文字が刻まれている。そして下半分は「会稽銅鏡」がそのデザイン要素となっており、「鏡によってその身を正し、自らの心を照らし出す」という意味が込められており、これは王陽明の「致良知」や「知行合一」の思想にも通じている。

(写真提供・紹興網)

八、2019年蘭州国際マラソン大会の完走メダル

このメダルは甘粛省蘭州市の水車を意匠としている。縁を彩る模様は蘭州の馬家窯から出土した彩陶からデザインされており、内側が回転可能な水車の部分は、下部分に砕ける波頭がデザインされ、悠久の黄河の文化をかたどり、蘭州の悠久の文化・歴史を映し出すと同時に、黄河の尽きせぬ気宇壮大な流れをデザインに融合させている。

(写真提供・蘭州国際マラソン大会の公式アカウント)

九、2019年揚州鑑真国際ハーフマラソン大会の完走メダル

このメダルは現代と古典の世界を融合させた江蘇省揚州市の「万福大橋」のレリーフが施されており、表側の下半分に扇形の立体的な橋がデザインされている。裏側には起伏する波模様がデザインされており、途切れることなく流れ続ける運河の水によって、千年以上にわたり揚州の街が繁栄してきた歴史を表現している。

(写真提供・揚州マラソン大会の公式アカウント)

十、2017年杭州マラソン大会のメダル

このメダルは表側が印章のデザインになっており、「2017杭州馬拉松(2017年杭州マラソン)」の篆書の文字が刻まれている。これは西泠印社の理事で中国国家一級美術師の呉瑩氏が特別にデザインした印章で、それをメダルのデザインに使用している。このメダルは実際に印章として使用することもできるだけでなく、高い芸術的価値とコレクション的価値を備えている。(編集KS)

(写真提供・杭州マラソン大会公式アカウント)

「人民網日本語版」2023年3月21日

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