中国では試行地を設定し、旅行会社やオンライン旅行会社による中国国民を対象とした海外団体旅行の取り扱いが2月6日に再開し、今月15日からは第2弾のリストに基づいて、60ヶ国を対象に海外団体旅行と「航空券+ホテル」のパッケージツアーの商品が発売されるようになった。これらを背景に中国では現在、海外旅行先のほか、査証(ビザ)も旅行者の関心の的となっている。北京青年報が報じた。
業界の専門家は、「試行地に選ばれた60ヶ国のうち、23ヶ国は中国人観光客を対象にビザの優待策を講じている。また、13ヶ国が中国人観光客を対象にアライバルビザ、または電子ビザ(e-Visa)による入国を認めている。観光ビザは、アジアの国であれば、通常15日から-1ヶ月前に申請すれば取得できる。欧米の場合は、1-2ヶ月前に申請を始めたほうが良い」と説明している。
ベトナムやイタリアなど5ヶ国が人気に
3月以来、米国や日本、韓国、オーストラリア、欧州連合(EU)などが中国人観光客に対する入国時PCR検査を撤廃した。海外の中国大使館公式サイトの情報をまとめると、今月15日から、フランスやスペイン、デンマーク、イタリア、スイス、ギリシャ、ハンガリー、南アフリカ、ニュージーランド、タンザニア、シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、アラブ首長国連邦といった国から直行便で中国に入国する場合、PCR検査の代わりに抗原検査(抗原定性検査キットによる自主検査を含む)の結果を報告することが認められている。つまり、中国人観光客が帰国する場合、PCR検査を受ける必要はなく、抗原定性検査キットを購入して自分で検査することができるということだ。
日本各地の空港が中国大陸部間の直行便運航を増便しており、東京、大阪、名古屋以外からも入国できるようになっている。韓国の各航空会社も韓国―中国間を往復する航空便を増便している。
統計によると、第2弾の試行地に組み込まれた国のうち、中国人観光客の注目を最も集めているのはベトナム、イタリア、セルビア、フランス、スペインとなっている。
4月出発のビザ申請が増加中
各プラットホームのデータによると、ここ半月、旅行サイト・携程網を通じたメーデー3連休に旅行に出かけるためのビザの申請数が2月に比べて2倍以上となっている。同じく旅行サイトの同程旅行が公開しているデータによると、中国文化・観光部(省)が第2弾のリストを発表して以降、40ヶ国に向かうためのビザの申請に関する問い合わせが急増し、増加幅は一時4倍以上に達した。旅行サイトの飛猪(フリギー)のデータによると、ここ1週間、ビザ関連の検索数が前年同期比886%増、ビザ申請数が同比680%増となっている。中でも特に人気なのは日本やタイ、米国、マレーシア、韓国、シンガポール、フランス、オーストラリア、英国、フィリピンなどのビザとなっている。
メーデー3連休に海外旅行に出かけるためのビザの申請はまだピークに達していないものの、目に見えて増加している。そのため、欧米諸国に向かう場合は、1-2ヶ月前に申請を始めたほうがよく、アジア諸国の場合、15日から1ヶ月前に申請を始めれば間に合いそうだ。
米国や欧州諸国のビザに予約殺到
携程研究院のアナリスト・方沢茜氏によると、各国のビザ取得までの難しさをみてみると、米国や欧州諸国の予約がとりにくくなっており、現時点で最も早く予約できても4月中・下旬となっており、中には7-8月まで予約が詰まっているほどの国もある。アジアのタイやマレーシア、シンガポール、日本(5年マルチ)などのビザも人気となっており、随時、申請受付可能で、ビザ取得にかかる時間も1週間以内となっている。オーストラリアの1‐3年のマルチビザ、シンガポールの1-5年のマルチビザも、電子版の資料を提出すれば申請ができ、予約が不要で取得にかかる時間は15営業日ほどとなっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年3月20日