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日本で好評の「レ・ミゼラブル」、中国では不振 「見る目ない」との声も (2)

 しかし、取材をしてみると、このような結論はあまりに一方的であることが明らかになった。北京の映画館チェーンのUME華星影城と万達影城の関係者によると、「レ・ミゼラブル」の公開初週末の座席占有率はかなり高い。週末はどこも満員で、多くの観客がこの映画を見るのを待ち望んでいたこともあり、スロースタートの状況はまったく見られないという。万達影城の関連部門の責任者によると、2時間半の長さの映画を編成するのは正直困難が伴うが、口コミのよさもあり、上映回数などでも考慮しており、週末には基本的に40分に1度の上映は保証しているという。UME華星影城の劉暉・副総経理は「公開初週末の上映時に、IMAXスクリーンを含めなければ、『レ・ミゼラブル』の上映回数は『ホビット 思いがけない冒険』と『西遊降魔篇』を足した回数に上る」と説明した。

 「レ・ミゼラブル」の観客層には明らかに地域差が見られる。北京、上海、広州といった大都市の観客は幅広いが、地方の中枢都市や一般都市になると明らかに人気が落ちる。このことが全体的な成績を引き下げている。

 しかし専門家によると、「レ・ミゼラブル」の5700万元という成績は、アカデミー賞を受賞した文芸映画は中国でことごとく惨敗を喫するという近年のジンクスをすでに打ち破っているという。当時615万人民元(約9372万円)の興収しか上げられなかった「英国王のスピーチ」(2010)や約400人民元(約6096万円)の「アーティスト」(2011)、428万人民元(約6522万円)の「別離」(2011)などが、本当の意味で中国から冷遇され、悲惨な成績しか上げられなかった映画だ。

 業界の関係者によると、中国人の映画鑑賞経験はまだまだ浅く、更なる蓄積が必要だが、意識は徐々に開放的になっているという。「レ・ミゼラブル」はまったくセリフがなく、役者が登場する度に歌を歌うという純粋なミュージカル映画だ。このような革新的な演出方法に対して中国の観客はあまりなじみがない上に、この映画にはアフレコ版は用意されておらず、中国語字幕版のみ。これが多くの観客にとって非常に高いハードルとなっている。客観的に見るとこのような不利な条件がある中、6000万米国ドル(約56億7840万円)の製作費で作られた高尚な文芸映画が中国でこうした数字を上げたことは、すでに上出来とといっていいだろう。中国の映画市場にもさまざま種類の映画を受け入れる幅広い観客層が徐々に育ってきていることが、ここから見て取れる。(編集MZ)

 *◆国がまえで上に「八」、下に「口」の下線なし

 「人民網日本語版」2013年3月18日

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