東京の黄砂は中国から襲来?日本気象庁は否定
同じ観察点からみるシーンの対比図 東京 |
深刻なスモッグや粉塵に悩まされている中国と同様の問題が、日本でも発生した。10日、東京に突然猛烈な風が吹き荒れ、地面から舞い上げられた細粒物質によって、都内は煙霧に包まれた。日本の各メディアは、この煙霧は中国が飛来した黄砂が原因との見方を示した。だが、日本の気象庁は、この見解を否定した。環球時報が伝えた。
日本の公共放送NHKは10日、同日午後、東京で猛烈な北風が吹き始め、地面の細粒物質が空中に舞い上げられ、黄色の煙塵が渦巻くように空一面を覆ったと報じた。千葉県で車を運転していた環球時報記者は、空全体が黄色になり、田畑の上空に塵旋風が舞う様子を目撃した。日本テレビの報道によると、このような異常気象の影響で、新幹線は徐行運転を行い、25分の遅れが生じたという。また、一部空港でも、他の空港に目的地を変更したケースが生じた。煙霧がピークに達した時の東京市街地では、200メートル先の高層ビルがはっきり見えない状況だったという。
突然起きた日本の異常気象について、多くの日本人は、この黄砂が中国から飛来してきたものであると思い込んだ。このような誤解は、主に、日本の各メディアの根拠のない報道によって生じた。テレビ朝日は10日、中国からの黄砂の飛来に関する特集を組み、中国から飛来する黄砂の危害について専門家に分析させた。共同通信社の報道によると、中国から飛来する黄砂に含まれる有害粒子状物質PM10は、世界保健機関(WHO)基準の35倍を上回る。読売新聞は同日、九州から甲信地方にかけての広い範囲で、中国大陸からの偏西風に乗って飛来した黄砂が観測されたと報じた。日本環境省も、黄砂の飛来に伴いPM2.5も飛んでくるだろうとの見解を示した。しかし、日本気象庁は、「今回発生した煙霧は、寒冷前線の接近に伴って、東京では空気が対流して地表付近の塵などが巻き上げられて起こった現象であり、中国からの黄砂ではない」と発表した。
気象庁は、国民の健康について配慮し、黄砂飛来観測情報や到達予測をサイト上に公開している。また、気象庁と環境省は合同で、「黄砂情報提供ホームページ」を立ち上げた。気象庁によると、全国で黄砂が観測され、飛来が続くようならば、天気予報以外に、黄砂専門の気象情報を発表する方針という。しかし、現時点で気象庁は、黄砂警報を発表していない。また、気象庁が発表した黄砂飛来観測情報でも、大量の黄砂が日本に飛来している様子はない。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年3月11日