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中国の国産アニメ・漫画 「乳離れの時期」--人民日報 (2)

 税収の面でも具体的な優遇措置を採択し、財政部(財政省)など関連部門は特別に国産アニメ・漫画産業の発展を推進するためのいくつかの案を制定している。文化部(文化省)など十数部門の委員会はアニメ・漫画聯席会議を設立し、足並みを揃えて国産アニメ・漫画を支援している。このような措置は文化分野においては非常に珍しいものだ。一部の地方政府ではアニメ・漫画企業を現地で設立した場合、3年間免税される優遇措置を受けられる上、高い新技術を誇る企業と同様に、用地や設備、人材などを引き入れる場合などにも優遇措置が受けられるように規定されている。これらの政策措置は共産党と政府の国産アニメ・漫画への重視や幅広い青少年に対する極めて高い関心・保護を示しており、同時に、国産アニメ・漫画を急速に発展させている。国産アニメの製作量は、「第11次五カ年規画」(2006-2010)時には22万分、2011年には27万分に達し、現在、世界首位に立っている。

 しかし、これらの政策は実際実行される際に、アニメ・漫画の質ではなく、量に重きが置かれることが多い。例えば、ある地方政府は、現地で製作されたアニメ・漫画がテレビ局で放映されるだけで、長さに応じて補助金が支給されると規定しているため、結果的に一部のアニメ・漫画企業は政府の補助金を獲得するためにわざとアニメ・漫画の長さを伸ばし、千話を超えるテレビアニメを製作する。深夜の誰も見ないような時間帯にこういったアニメを放映しても、同じように補助金が得られることになる。このほかにも、政策の支援の下、各地方にアニメ産業園区が建設され、全国にすでに100を超える似たようなアニメ・漫画祭やアニメ祭、ゲーム祭などが開催されている。表面的には繁栄しているように見えても、これは目の前の利益だけを求める気持ちや行動の現われでしかない。例えば、まるで他作品のコピー商品のような1200万元(約1億8504万円)で撮影した「巨編」も、キャラクターイメージからシーンに至るまで、その内容が何かのパクリと疑われても仕方のない「力作」なども、幅広いアニメファンを深く失望させている。

 国産アニメ・漫画と比べると、映画・テレビ業界や出版業界はこのような政策上の優遇措置はあまり多く受けていないが、非常に健闘している。また、このことが、過去の10年間にわたって急速に発展・進歩してきた各業界の歩みに何らマイナスの影響を与えていない。国産映画の興収は続けざまに新記録を更新し、中国は世界第2位の映画市場に成長したほか、出版業界も産業増加値が1.6億元(24億6720万円)を突破した。テレビドラマも高度成長を遂げ、アフリカでは家で中国ドラマを見るために、町中は人影がまばらというほどのブームを巻き起こした。これらの文化業態の成功の原因を総合的に分析すると、政府の支援や保護による功績はもちろん無視しがたいものはあるが、否定できないのは、あらゆる分野で比較的早期に徹底的な市場化改革を行ったことだ。政府が過度な支援政策を採らなかった上、関連分野の市場競争は比較的規範的かつ熾烈だったことだ。これらの文化業態は最終的にいずれも自身の法則に沿って、発展の道を歩むことになり、中には株式上場を達成する企業も現れた。

 アニメ・漫画企業を逆の観点からみると、政府から補助金やプロジェクト、優遇措置が与えられるため、結果的に企業はお金を手に入れることはできたが、観客の期待に応えるような優秀なアニメ作品は市場から姿を消してしまった。質が高くない作品でも生き残れるため、アニメ・漫画企業は本当の意味で観客や市場を重視することが難しくなってしまった。この調子でいけば、アニメ・漫画企業の進取の精神は必ず弱体化していき、ひいては消滅してしまうだろう。そのため、国産アニメ・漫画は徐々に政府からの乳離れをする時期に来ていると言える。さもなければ、常に政府の胸に抱かれて「母乳」を与えられたままでは、いったいいつ成長できるというのだ?(編集MZ)

 「人民網日本語版」2013年6月14日

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