大学卒業後すぐに家を買う「卒房族」が急増 中国
○大学卒業後すぐに住宅を購入する学生たち:
「住宅価格は上昇の一途、購入は早ければ早いほど安心」
大学卒業後すぐに結婚する「卒婚族」は、「愛が金に勝る」を地で行くと、人々の感動を呼んだ。そして今、中国には「卒房族」(房の意味は家)が現れ始めている。彼らが世間にもたらすのは、感動ではなく、「住宅価格高騰」に対する悲壮感だ。南京での調査によると、大学を卒業後すぐに住宅購入を計画している学生がかなり多いことが明らかになった。さらには、裕福な実家を後ろ盾に、卒業前に早々と購入を済ませた学生もいる。揚子晩報が伝えた。
○「卒房族」の心理状態1:高家賃を払い続けるなら住宅ローンが得策
南京林業大学に通う鄒さんは、半年ほど前から現地のネットワーク関連企業でインターンシップ実習生として働いている。7月に大学を巣立ち社会人になる彼女は、卒業後、住まいを借りずに、単身者用の小さなマンションを購入して住む予定という。
上海出身の鄒さんは、ずっと南京で働き続けるつもりはないが、卒業後、南京にマンションを買って住む意向を固めている。「将来、両親の住む上海に戻る可能性はあるが、現時点では、南京にウェブサイト関係の仕事があり、すぐには南京を離れるつもりはない。あと数年間南京で働き続け、海外留学中の恋人が戻ってきたら、上海に帰ることになるだろう」と鄒さん。南京の中心部や河西新城地区の賃貸物件をひとしきり見て回った彼女は、古い物件は条件が劣悪な一方、条件の良いものは家賃が信じられないくらい高いことが分かり、早急に住宅ローンを組んで購入しようと思ったという。「河西新城の綺麗な新築賃貸物件の家賃は、月給のほぼ全額に相当する。といっても、見ず知らずの人とルームシェアは、あまり気が進まない。だから、思い切って購入することにした」。
鄒さんが両親にマンション購入について相談したところ、彼らは大賛成してくれたという。「河西新城に近い小さな小綺麗なマンションに決めるつもりだ。面積は60平方メートル足らずで、購入費用は両親が全部出してくれることになっている」。
卒業と同時に住宅購入を考えている学生は、自分の住む場所を確保すると同時に、投機的な意味合いも強いのが現状のようだ。鄒さんによると、彼女の母親は、投資先として考えていた金の価格が暴落している状況で、彼女からマンション購入の話を聞き、この機会に不動産に投資してみようと決めたという。これで娘の住宅問題が解決し、数年後に彼女が南京を離れることになっても売り払えばよい。南京で住宅を購入した経歴があっても、住宅購入制限策が市を跨いで適用されることはないため、戸籍を上海に戻して上海で住宅を購入することに不利にはならない。