日本には奇妙な資格が満載 芸能人も「資格マニア」
中国メディアが見る日本 「職人精神」を尊ぶ日本文化は、各種職業資格の認証が高度に細分化され、古くから中国でいわれる「三百六十行」をはるかに超える。中には、健康生きがいづくりアドバイザーや全国統一オタク検定試験など、一風変わったものもあり、想像力が試される。資格受験を愛する日本人はほとんどが完全に趣味嗜好からスタートしており、仕事やスキルアップとは関係ない。日本人の資格試験に対するマニアックさを、記者は日本で身にしみて感じた。環球時報が伝えた。
■芸能人の多くが奇妙な資格を持っている
お笑いコンビ・ハリセンボンが出演するあるバラエティー番組で、司会者がおもむろに「ある検定の1級を持つハリセンボン・はるかが今から実演します」と紹介。はるかは、日本伝統の民間の遊び「けん玉」を披露した。愛好者は試験に参加することで、レベルに応じた級が認められる。
日本には、資格を持つ芸能人は少なくない。わりと普通なのは、伊東美咲や大塚愛の保育士資格。驚きなのが蛍原徹で、毒物劇物取扱責任者の資格を持っている。織田裕二はモータースポーツ国際ライセンス、ダイビングライセンス。堂本光一に至っては日本綱引連盟公認審判員、チェーンソー伐木、食品衛生責任者、小規模ボイラー取扱者、ラッピングコーディネイター、そば打ち名人など多くの奇妙な資格を持つ。
■奇妙な資格がなぜそれほど多いのか
日本の資格は国家認証、政府機関認証、民間機構認証の3種にわかれ、統計では総数3千種を超える。国家認証資格だけでも1200種以上、その中には奇妙なものが少なくない。たとえばシューフィッターの職責は、顧客の足の形や特徴を考慮し、ふさわしい靴を厳選する。国家認証資格である初生雛(ひな)鑑別師は、2秒以内にふ化したばかりのひよこの性別を判定でき、養鶏場主の需要に応じた迅速な出荷を助ける。動物葬祭ディレクターはペット火葬の流れ、ペット墓園埋葬の際の注意事項、飼い主のメンタルケアなどを熟知しており、愛する動物を失った飼い主の心が軽くなり、安心して葬儀を営むのをサポートする。これらの驚くべき資格は、実際には現代の農業、工業、サービス業が高度に発達し、分業細分化が進んだ結果だ。
多くの人はまったくの趣味として受験、儲けとは無関係だ。記者は金融界でソムリエ資格を取得した数人の友人を知っている。ひとりとレストランに行った際、彼は着席すると分厚いワイン辞典を取り出し、メニューにふさわしい味わいのワインを選んだ。また本来は観光業界関係者のために設けられた時刻表検定は鉄道テーマ検定となり、結果的に多くの鉄道ファンの人気を集めている。
■各種オタクが資格マニアに
日本人は、何かひとつの事柄に夢中になりやすいようだ。アニメオタク、鉄道オタク、電子製品オタクなど、枚挙にいとまがない。彼らは好きなもののために時間や金銭、労力を犠牲にすることをいとわず、電子製品オタクの中には、携帯電話の地図アプリで自分の移動経路を「巻き巻きうんこ」のようにするため1日中歩き回るというツワモノまでいる。オタクたちにとって、資格取得は他人から認められたという満足感を得ることができるもので、実に理にかなっている。オタクも方向性さえ間違えなければ、思わぬ斬新な創造と発見を得られるのだ。(編集HT)
「人民網日本語版」2013年3月20日