矛盾した日本人像 礼儀正しく親切で、冷淡で不寛容? (3)
あの時、私は日本語教師になって間もなくしてすぐ日本留学に来たため、あまり日本語がしゃべれない学生とほぼ同じような感覚だった。日本の上司や同僚は、それぞれがまるで狼や虎、或は牛魔王や蛇神と同じような恐ろしい存在だった。職員室で私が遭遇したのと同様に、留学生たちもアルバイトの身分で正式社員と同じような平等を求めれば日本社会では徹底的に打ちのめされるだろう。この日本社会を理解しなかったことで感じた冷たさは、その後も皮膚感覚として記憶され、長く忘れることができなかった。
■ 規則をあまりに重視する国家
規則を守らない、知らない人は日本社会で見下される
中国ではお茶の葉は直接お湯に浸して飲む。しかし、日本では茶葉を茶こしに入れてから、熱いお湯を注ぐ。あまり熱くないお茶は、お茶を入れて持って来た頃に茶葉の香りが広がる。これが一種の規則になっており、この規則を守らない、あるいは知らない人は日本社会で非常に軽蔑されるのだ。
日本では、規則を守ることを非常に厳格に要求される。日本でこのような体験をしたことがある。元物理教師だったある高校の校長が中国の古典詩歌に夢中になり、学校内に詩歌クラブを設立した。その校長が私をこのクラブに参加するように言ったので、ある時クラブ活動を見に行くと、韻脚(漢詩などの韻文で句末に用いる韻)の規則を収めた「韻脚大全」を手本にしていた。詩歌クラブの部員が詩歌を作る際、この韻脚の規定通りに押韻を行っていた。