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省を跨ぐ地下鉄は「先例モデル」?それとも「特例」? (2)

○省を跨ぐ地下鉄、現地の実情に合わせて
 
 都市の公共交通システムである地下鉄が、省を跨いで運行することは、有効な試みなのであろうか?それとも、ひとつの特例にすぎないのか?

 上海社会科学院都市化発展研究センターの郁鴻勝・主任は、「上海地下鉄の江蘇省への乗り入れは、従来の大交通モデルの枠組みを打ち破るもので、その意義は言うまでもない。現実的な意味から見ると、省を跨ぐ地下鉄の誕生により、長江デルタ地域における上海の影響力が増すと見られる。また、崑山エリアや蘇州エリアを直接リードすることにもなる。従来の大交通が担う役割は『人々の流動』だったが、今の都市軌道交通は、生活や生産活動と完全に一体化しており、長江デルタ地域の今後の共同発展に対して促進作用を果たす」との見方を示した。

 地下鉄専門家である同済大学鉄道・都市軌道交通研究院の孫章・教授は、次の通りコメントした。

 省を跨ぐ地下鉄は、行政区画という壁を突破するという新たな試みであり、中国の都市軌道交通が省という壁を突破する試みでもある。都市軌道交通は、都市の市政基盤交通インフラに属しており、省・市を超えて繋がった例は過去になかった。今回の試みは、未来の地域経済発展法則に合致する重要なブレイクスルーといえよう。

 高速鉄道や高速道路などの地域を跨ぐ交通手段と比べ、地下鉄は簡単に利用でき、運賃が安く、ダイヤが密集しているという優位性を備えている。実際、上海地下鉄が延伸することで、崑山の住民が上海に通勤して仕事をすることが可能となり、地域経済に対する促進作用は極めて大きい。

 だが、地下鉄の省を跨ぐ運行は、決して常態となるべきものではない。現地の状況に合わせた方法を講じることが鍵となる。省を跨ぐ地下鉄は、長江デルタ都市密集地域における上海のように、都市が集中している地域の中心都市および国際大都市に設けられるべきだ。また、繋がる対象となる大都市周辺の都市も、ある程度の規模を備え、将来は、グループ式発展を遂げる、あるいは衛星都市として発展する可能性があることが条件となる。省を繋ぐ地下鉄は、これらの条件を備えた上での開通となると、時機が熟していることから、必ず成功し、経済効果も高まる。

 都市における地下鉄の建設費は極めて高く、気の向くままに延伸させることは不可能だ。また、運行距離も、長くなればなるほど良いという訳ではない。都市の地下鉄ネットワークと地域の鉄道ネットワークは、機能面・設備面いずれにおいても違いがある。走行スピードがゆっくりで、駅と駅の間隔が小さい都市の地下鉄が、地域と地域を繋ぐ鉄道ネットワークを網羅し、それに取って代わることはあり得ず、経済性・効率性いずれにおいても不十分だ。(編集KM)

 「人民網日本語版」2013年10月18日

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