暗い所で携帯電話を使用 専門家が「目のガン」になる可能性を否定
微博(ウェイボー・ミニブログ)と微信(WeChat、中国版LINE)で近頃、暗い所で携帯電話を見ると失明になりやすいという情報が広まっている。この情報によると、暗い所で携帯電話の光を直接浴び続ければ、「目のガン」と呼ばれる治療不可の黄斑変性症にかかるという。江蘇省人民医院の眼科主任の劉慶淮氏は、「この説には科学的根拠がない」と指摘した。中国新聞網が伝えた。
劉氏は、「夜に携帯電話を見ると、光が明るく見え目を刺激する。しかし携帯電話により失明になるという説は、理論的には成立しない。とは言え目を守るためにも、暗い所で電子機器を使用することは、できるだけ避けたほうが良い。黄斑変性症の発病メカニズムは現時点では明らかにされておらず、長期間の喫煙、遺伝、光による網膜の慢性的な損傷、栄養失調、高齢、代謝障害などと関連する場合が多い」と説明した。
劉氏は、「網膜の黄斑区は視覚で最も敏感な場所であり、モノを正確にとらえる役割を果たす。黄斑変性症による症状は、白内障などによる症状よりも深刻で、治療不可能な中心視力の低下と失明を招く。黄斑変性症の早期の最も明らかな症状は、気づかぬうちに視力が低下し、近くのモノも遠くのモノも見えにくくなることだ。特にドア枠や窓などの直線的な格子状の図形が歪んで見えたり、視野の中心に黒い影や閃光などが見えるようになる」と指摘した。
しかし噂されている「黄斑変性症は目のガンであり、治療は不可能」という観点について、劉氏は「黄斑変性症はガンではなく、失明に至るとは限らない。失明になるか否かは、黄斑変性症がどれほど深刻であるか、どの部分で症状が見られるか、正しい治療を受けられるかによって左右される」と語った。
劉氏は黄斑変性症の予防法について、「現在試せる方法はルテインの摂取だ。ルテインは黄斑が失ったミネラルを補給できるからだ。トウモロコシや卵の黄身には多くのルテインが含まれ、ルテイン補給の武器になる。また屋外で仕事をする人は日傘や帽子などの日除け用品を使用し、日差しが最も強い昼には屋外に出ない方が良い」と提案した。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年10月17日