【第133回】三年不使用の登録商標取消し制度について (4)
(3) 商標の図案について。商標は、商品あるいはサービスを区別するための表記であるため、商標の使用は当然、商標の図案自身と切り離すことはできない。使用の証拠とするためには、明確に当該商標の図案が体現されている必要があり、最も良いのは使用商標と登録商標が完全に一致することである。実際の使用において、全体的な識別が顕著であり部分的な変更がない場合、法律上では登録商標の使用とみなされる。
(4) 使用地域について。商標保護には地域性があり、中国で登録した商標は中国の領域内のみにおいて保護され、中国で登録した商標は中国の領域内の使用についてのみ商標の使用としてみなされる。このため、訴訟において提供する証拠は必ず中国領域内で形成された使用証拠を選び出さなければならない。このほか、香港、マカオ、台湾地区と中国大陸地区では実施される商標法律制度が異なるため、香港、マカオ、台湾での使用は中国大陸地区において登録した商標を有効的に使用した証拠とはならないことに注意が必要である。
インターネットのホームページ上の広告、電子ビジネス取引などの場合、インターネット上での商標の使用時間、使用地域の確定が難しいため、このような場合の登録商標の使用に関して、ウェブページの定期的な公証を受け、これを証拠として保管しておく方法が望ましい。
以上の4つの要件を満たすと同時に有機的に関連する一連の証拠を具備もしくはその証明が可能である場合、登録証標の使用を三年連続して停止していないことを証明することができる。
作者:周暘 段和段法律事務所パートナー弁護士(早稲田大学法学研究科卒 法学修士)
作者:高嵩 段和段法律事務所パートナー弁護士(北京大学法学部卒、元北京第2中級人民法院裁判官)
「人民網日本語版」2013年10月31日
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