明治 中国粉ミルク市場から事実上の撤退
1997年に中国市場に進出した日本の食品大手・明治はこのほど、生産コストの年々の上昇が企業のコストや収益に深刻な影響を及ぼしているため、「珍愛」シリーズの粉ミルク製品の中国での販売を一時取りやめにすると決定したことを明らかにした。「新京報」が伝えた。
▽外国製粉ミルク政策の調整とは無関係
明治は中国市場への進出後、「明治珍愛」シリーズに絞って販売を行ってきた。同シリーズの販売を一時停止するということは、中国市場からの事実上の撤退だ。
明治が24日に出した声明によると、中国の乳製品市場は競争が激化している。こうした厳しい環境の中で、オーストラリアからの原料輸入を続けてきた明治の生産コストが年々増大し、企業のコストや収益に深刻な影響が出ていた。今後の発展を見据えて、しばらく同シリーズの粉ミルク製品の中国での販売を取りやめることを決定した。販売を停止する主な製品は、明治珍愛児900グラム、明治珍愛宝900グラム、明治珍愛童900グラム、明治珍愛ママ900グラム。在庫がなくなり次第、販売を停止するという。
明治の中国法人・明治乳業貿易(上海)有限公司の顧客サービス担当者は同日、中国市場からの撤退はコストが主な原因で、中国の外国製粉ミルク政策の調整とは関係がない。今後の販売は在庫を消化するためで在庫がなくなり次第終了する。明治の粉ミルクが必要な人は天猫商城でまとめ買いしてくださいと述べた。
▽牛乳やヨーグルトの販売は継続
明治の粉ミルクが中国市場から撤退すると、従業員のリストラが発生するだろうか。同顧客サービス担当者は、従業員の一部を調整することになるが、具体的なことはまだ話せないという。
別の明治関係者によると、明治は江蘇省蘇州市に工場を建設し、主に牛乳、ヨーグルト、ホイップクリームを生産しており、明治の中国の従業員は今後はこれらの業務を担当することになる。これらの製品は中国市場で販売されており、スーパーマーケットでの取り扱いもある。牛乳はスターバックスにも出荷されているという。