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2019年の世界経済における5つの見所 (2)

人民網日本語版 2019年01月04日11:16

見所3:泥沼化する欧州の行方

欧州統合が進められるようになって今年で62年目を迎えたが、英国、ドイツ、フランスというかつての「3本柱」が泥沼にはまっている。英国はまもなくEUを離脱し、軸となっていたフランスとドイツは国内政治が原因で、EUで指導力を発揮するのが難しくなっている。19年、さらに多くの政治の不確定要素が欧州統合に試練をもたらし、世界経済にとっても、直接的、間接的な逆風となると予測されている。

ドイツのハンブルク世界経済研究所(HWWI)のヘニング・ファペル所長は、「現在、英国のEU離脱の影響は先行き不透明で、イタリアとEUの溝も深まっている。また、欧州の債務問題においてまだ妥当な解決策が見つかっていない。欧州は安定、制度、規則などの面で依然として大きな問題に直面しており、経済は大きな下方圧力に直面している」と指摘している。

欧州中央銀行(ECB)は19年のユーロ圏の経済成長を1.7%と予測し、以前の予測から0.1ポイント下げた。ECBのマリオ・ドラギ総裁は、「地政学や保護主義の脅威、新興市場の脆弱性、金融市場の変動などの不確定要素が依然として存在しているため、ユーロ圏の経済成長の前途は暗くなっている」と明確に指摘している

見所4:経済貿易摩擦の行方

昨年から、世界中で経済貿易摩擦が激増し、政策リスクが再び高まり、ルールに基づく多国間貿易体制が崩れたことが、世界経済を脅かす主な要素となっている。経済貿易摩擦がエスカレートすると、19年の世界経済に大きな打撃となると分析されている。

IMFは、「貿易摩擦による緊迫がエスカレートし、それが原因で政策の不確定性が増すと、商業や金融市場の懸念材料となり、金融市場が不安定になり、貿易や投資が減少することになるだろう。貿易障壁の増加は、世界の供給チェーンを切断することにつながるほか、新技術の普及の障害となり、最終的に世界の生産率が下がり、人々にもたらされる利益も減少する」と警告している。

米コンファレンスボードのチーフエコノミスト・バート・ヴァン・アーク氏は、「国際的な貿易摩擦のエスカレートなど、極端な状況が生じなければ、今後半年、世界経済は引き続き力強く発展するだろう」と予測している。

見所5:債務リスクを解消できるか

IMFが昨年10月に発表した「財政モニター」によると、世界の非銀行業の公的・民間債務総額は182兆ドル(1ドルは約107円)に達し、07年と比べて1.5倍増加した。また、40%以上の低所得エコノミーが債務リスクを抱えている。

世界が抱える債務がこれほど膨張していることを背景に、市場や企業は一層金融環境の縮小の影響を受けやすくなっている。実際には、先進エコノミーの金融政策の正常化に適応する過程で、新興市場や発展途上エコノミーはすでに大きなプレッシャーを感じるようになっており、そのプロセスが突然加速するようなことがあれば、そのプレッシャーはさらに大きくなるだろうとみられている。

専門家は、「債務リスクを緩和できるかが、世界経済が安定するか左右するカギとなる。デフォルトが大規模に発生すれば、消費や投資が縮小し、経済が後退するだけでなく、世界的金融危機が起きる可能性もある」と指摘している。(編集KN)

「人民網日本語版」2019年1月4日


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