2018年下半期から、世界の主要エコノミーは回復の原動力が乏しく、成長のスピードが減速傾向を見せており、世界経済に暗雲が垂れ込めている。さまざまな不確定要因を前に、各国際経済組織も予測を次々に下方修正している。国際通貨基金(IMF)は10月に、世界全体の経済成長率見通しを3.7%と、これまでの予測から0.2ポイント下げた。新華網が伝えた。
19年、一部のアナリストが懸念しているように、世界経済は本当に減速するのだろうか?今年の世界経済における見所5ポイントを基に、世界経済の方向性の一端をうかがい知ることができるかもしれない。
見所1:中国から発せられるシグナルをどう読むか
世界ナンバー2のエコノミーである中国の経済は、外部の環境が複雑化し、経済が下方圧力に直面する中、引き続き健全に発展することができるかどうかが、多くの人の注目ポイントとなっている。
中国は多くの分野の改革を深化させ、ハイレベルの開放を推進しており、最近閉幕した中央経済政策会議でも経済政策運営の方針が決まり、経済の「安全係数」や「信頼感指数」の向上に取り組むことにより、市場に明確なシグナルを送り、外部の中国経済の発展に対する信頼が強化されている。
専門家は、「中央経済政策会議は、ポジティブな姿勢で経済の下方圧力に対応しようとしており、中国経済が世界経済における「安定化装置」と「バラスト」のような役割を果たすのに資するだろう」との見方を示している。
世界銀行中国局の■福満局長(■は赤へんにおおざと)は、「世界に目を向けると、中国より良いパフォーマンスを見せているエコノミーは極めて少ない。また、中国経済の成長ペースが鈍化しているからといって、中国の世界経済に対する寄与率が下がっているわけではない。寄与率は約30%を保っている」と指摘している。
見所2:米国経済がどうなっていくか
統計によると、昨年第三四半期(7-9月)から、世界のいくつかの主要エコノミーの成長が明らかに減速傾向を見せている。ドイツや日本のほか、経済が勢いよく成長しているように見える米国でさえも、いつ減速してもおかしくない状況となっている。
米連邦準備制度理事会(FRB)が昨年12月に発表した統計によると、19年、米国経済の成長ペースは2.3%減速し、18年を大きく下回ると予測している。ゴールドマン・サックスのチーフエコノミストJan Hatzius氏は、「金融市場の環境が緊迫していることと経済を刺激するための措置の效果が減少していることが、米国経済の成長ペースが減速する主な原因となるだろう」と予測している。
世界ナンバー1のエコノミー・米国の成長ペースが減速すれば、世界経済の成長にとって足かせとなるのは間違いないが、FRBがどのような金融政策を打ち出すかにより注目が集まっている。日本のみずほ総合研究所のチーフエコノミスト・長谷川克之氏は、「米国経済が明らかに減速するようなことがあれば、FRBは金利の引き上げペースを下げることができるが、同時にインフレ率が上昇すると、FRBは金利引き上げを優先せざるを得ないだろう。そうなると、過度な縮小が生じ、最終的に経済が後退する可能性がある。また、FRBが金利引き上げを継続すると、ドル高が続くことになり、新興エコノミーは、通貨下落や資本流出、債務返済負担拡大など多くの問題に直面することになるだろう」との見方を示している。
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