ピクサー映画初の中国人女性監督・石之執(ドミー・シー)監督の作品で、中国要素がふんだんに盛り込まれたショートアニメ「Bao(バオ)」(中国語タイトル「包宝宝」)が、このほど第91回アカデミー賞の短編アニメ映画賞を受賞した。
「Bao」は細やかな描写と大胆な想像力、感動的なストーリーが、大勢の観客の胸を打った。中国のグルメ文化が描かれているだけでなく、中国人の暮らしに密着した中国要素が随所にみられる。たとえばカナダのチャイナタウンの食品市場にある中国語のラベル、菓子店の壁に貼られた財神のカレンダー、台所にあるしょうゆや唐辛子ソースの瓶、食器の花模様、公園で太極拳をする人の姿などだ。
「Bao」の受賞により、中国の文化は他国の文化と異なるかもしれないが、基本的な感情はすべての人に共通であることが証明された。中国人が相互理解に努めれば努めるほど、すべての人が共鳴できるストーリーをこれからも創造し、共有していくことができるということも証明されたと言えるだろう。