中国科学院国家宇宙科学センターへの22日の取材によると、欧州宇宙機関(ESA)は21−22日に開かれた理事会で、EUと中国が共同開発する「太陽風-磁気圏相互作用パノラマイメージング衛星計画(SMILE)」の正式なプロジェクト開始を承認した。これはSMILEがプラン計画段階の作業を終え、全面的にプロジェクト開発段階に入ることを意味する。計画によると、耐用期間3年のSMILE衛星は2023年末に打ち上げられる。中国新聞網が伝えた。
SMILE中国首席科学者、中国科学院国家宇宙科学センターの王赤センター長(研究員)によると、SMILEは太陽と地球の関係に焦点を絞り、革新的な軟X線・紫外線イメージング装置を利用し、初めて地球空間大スケール構造の全体的なイメージングを実現した。太陽活動が地球の宇宙環境の変化に影響を及ぼす法則を解明し、地球宇宙気象災害の予測・軽減に重要な効果を発揮する。
SMILEは世界の宇宙天気分野の優位的資源を集めている。中国側が任務のまとめ役として、衛星プラットフォームとペイロード(磁力計、低エネルギーイオン分析装置)の開発を担当する。同時に衛星の総組立、立上げテスト、軌道上の任務・運行を担当する。ESAはペイロードモジュールを担当し、ロケット打ち上げサービスを提供する。イギリス宇宙局は軟X線イメージング装置の開発をサポートする。カナダ宇宙庁は紫外線イメージング装置の開発をサポートする。中国・EU双方が科学応用システムの建設と運営を担当し、衛星が軌道上で入手した科学データは参加国向けに開放される。アメリカ航空宇宙局(NASA)もその他の十数カ国の宇宙機関及び大学と共に、科学データ分析・研究作業を行う。
中国科学院国家宇宙科学センターによると、SMILEは中国科学院宇宙科学(2期)先導特別プロジェクトから支援を受けている。特別プロジェクトの各作業が着実に推進されている。またSMILEとともに展開される科学衛星、アインシュタインプローブ(EP)衛星、先進的宇宙太陽天文台(ASO-S)、重力波高エネルギー電磁気カウンターパートオールスカイモニター(GECAM)にも、重要な国際協力の要素が含まれる。SMILEは人類が宇宙を平和的に利用し、人類運命共同体の構築を促すため、より多くの中国の知恵・プラン・力で貢献することになる。
SMILEはESAと中国科学院が共同企画し、募集・選考を行い、プラン設計、プロジェクト開発、データ分析・利用を共同展開する、地球空間「双星計画」に続く中国とEUの大型宇宙探査計画だ。SMILEは2015年6月に中国科学院とESAの共同選考に合格し、提案された13件の任務の中から選ばれた。2016年11月には正式にプラン研究段階に入った。
中国宇宙事業管理マニュアルと異なり、ESAはプラン段階終了後に任務の科学的意義の重大性、技術案の実現可能性、経費サポートの許容可能性などを評価する。評価後に正式にプロジェクト立ち上げとなり、プロジェクトの開発段階に入る。これは中国宇宙事業のサンプル開発とサンプルの完成段階に相当する。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年3月25日