悲しみなどによる心の痛みは本当に痛い?「ブロークンハート症候群」

人民網日本語版 2019年09月18日09:16

失恋や近親者の死など、人生において未曽有の悲しみを経験することは、時として避けることができず、そんな時には、胸が引き裂かれるような痛みに襲われる。では、このような心の痛みは、本当に心理的な痛みに限られるのだろうか?

人は極めてショッキングな事件に見舞われたとき、極度の苦しみと悲しみを経験し、そのようなマイナスの感情が病的な生理的反応を引き起こすことがある。このような症状は「ブロークンハート症候群」あるいは「ストレス性心筋症」と呼ばれる。ブロークンハート症候群の主な症状は、心筋機能の衰えで、具体的には、「心臓が締め付けられる感じ」、「心臓が一時的に酸欠になって起こる痛み」、「不整脈」、「息苦しさ」など、心臓病と似たような症状が現れる。

では、ブロークンハート症候群による痛みは、どのようにして起こるのだろうか?感情そのものが人体に及ぼす刺激は、一種のストレスであり、通常、人がショッキングな出来事に遭遇すると、交感神経が興奮し、あっという間に体内で大量のカテコールアミン(主にアドレナリンとノルアドレナリン)が分泌され、血管内に入り込む。これらの代謝物は、心臓に対する一時的な毒性を備えており、末梢血管の収縮、心室筋の収縮力低下、心拍数減少、血液供給量減少、体内の酸素不足などが引き起こされ、そこから心痛という症状が現れる。

一般的に、心理的ストレスに弱い人は、ブロークンハート症候群を患いやすく、女性は男性より罹患率が高く、特に中高年の女性の罹患率が最も高い。このほか、当事者が遭遇するショッキングな事件やその時の状況は、発症と深い関係がある。

それでは、ブロークンハート症候群は、治療しなければならないのだろうか?一般的には、あまり心配しすぎることはない。その症状が重い場合、心臓病とよく似ているが、器質的な病変はないので、患者の感情が落ち着けば、数週間あるいは数ヶ月経つと、次第に回復する。だが、症状が非常に重い患者は、危機に見舞われるケースについて注意しなければならず、医師の指示のもとでできるだけ早く治療した方が良い。したがって、日常生活でどんなに悲惨な事件に遭遇しようと、我々は、妥当な方法を選んで、自分の悲しみやネガティブな感情を解放・解消することを学ぶ必要がある。くれぐれも、自分の殻に閉じこもらず、出来る限り良い気分でいることを選択して、心の痛みを取り除くよう努力しなければならない。(編集KM)

「人民網日本語版」2019年9月18日

  

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