「辛くなければおいしくない」 実は一種の「自虐行為」

人民網日本語版 2019年08月08日09:57

暮らしの中で奇妙だがよくある現象として、「怖がりのくせにホラー映画を見たがる」や「目を開けていられないほど眠いのに夜更かしをやめられない」、「辛い物は辛ければ辛いほどおいしく感じる」、「ドラマは泣ければ泣けるほどよい」といったものがある。人というのは、楽しいことや楽をすることを好み、苦痛を避けたがるものなのに、どうしてこうした自虐行為をやめないのだろうか。背後にはどのような心理が隠されているのだろうか。科技日報が伝えた。

▽自虐行為を通じて「快楽の逆転」を得る

米国ペンシルバニア大学で心理学を教えるポール・ロジン教授はこうした行為を「良性の自虐」と呼んでいる。自虐行為を通じて快楽を得る状態を指し、残酷であればあるほど喜びを感じるという。

ロジン教授は同僚と共同執筆した論文の中で、「一連の消極的行為を行う時、人の身体と大脳は脅威を感じる。しかしその後、実際には危険はないとわかると、『心が体を超える』(mind over body)ような一種の快感を感じる」と述べた。

生理メカニズムから言えば、身体は苦痛に直面すると、エンドルフィンという天然の鎮静剤を分泌し、モルヒネの受容体が結合し、モルヒネやアヘンのような鎮痛作用や多幸感をもたらす。人の快楽を感じるシステムと苦痛を感じるシステムは密に連携しており、苦痛の刺激を受けると、快楽システムも活性化し、これが苦痛でありながら快楽を感じるという状態をもたらしている。こうした生理メカニズムにおいて、「辛くなければおいしくない」という自虐行為を理解するのは難しいことではない。

▽良性の自虐はマイナス思考を調節

人が良性の自虐を好むのは快楽を得られるだけではなく、それによってマイナス思考を調節できるという別の原因もある。

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