写真はバイオナノのりを豚の皮の接着に用いる様子。(撮影・劉新科) |
破れた物はのりでつなげて修復できる。その修復技術が優れていれば、どこから破れたのか見えないほどだ。それならば体または内臓が傷ついた場合、同じようにのりを塗ることで傷をスピーディに癒合させ、そして傷痕を残さないことは可能だろうか。中国青年報が伝えた。
西北工業大学生命学院の盧◆(女へんに亭)利教授はこのような画期的な技術を開発した。分解可能な多孔質無機ナノ粒子に金属元素を混ぜることで、「多機能ナノのり」が出来上がった。
盧氏のチームが開発したこの「多機能ナノのり」は、ナノ粒子の高比率界面エネルギーを持つため、スピーディで効率的な組織の接着を実現できる。金属元素が混じっているため、X線、CT、蛍光、超音波などのイメージング機能を持ち、イメージング指導を受ける複雑な手術の傷口の接着に使用できる。さらに重要なことは、抗菌性や血管生成促進などの機能を持ち、分解の産物が無毒で人体に吸収されることだ。手術の縫合線や針の代替品になり、張力なき傷口の接着に用いることができる。
チームが開発した「バイオナノのり」の効果は今年5月、ラットによって証明された。ラットの傷口の接着に用いると、癒合の速度は一般的に臨床使用されるシアノアクリレートのような接着剤より3日早かった。
チームのメンバーで、西北工業大学若手教員の崔寧博士は「この成果は傷口の美容にとって重大な意義を持つ。これは新型多機能医療用接着剤の設計・開発に対して、理論と実験の基礎を提供する。将来的に、これは医療用接着剤の発展の流れになる可能性がある」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年9月23日