エビの入った琥珀を手にする専門家。
2200万年前の世界初の水生のエビを包んだ琥珀がこのほど、北京市で初公開された。琥珀の中から水生生物のエビが見つかったのは世界初で、そして未知の種だった。関連論文は10月末にネイチャー・リサーチ社傘下の学術誌「Scientific Reports」に掲載された。この「琥珀エビ」の研究チームのメンバーには、中国科学院動物研究所、南開大学、中国科学院海洋研究所の専門家が含まれる。人民網が伝えた。
説明によると、この「琥珀エビ」は中米・メキシコ南東部のチアパス州で見つかった。琥珀は中新世早期(約2280万年前)に形成され、世界で現在見つかっている唯一のマエビの化石だ。国家珠宝玉石質量監督検験センター(NGTC)はこの琥珀の宝石学通常テスト及び赤外線テストを行った。それによるとこれは人工処理を施されていない天然のメキシコ産琥珀で、うち水生生物のエビの形が自然で整っており、極めて珍しい。
研究者は形態判別により、このエビの正確な品種が判明し、琥珀の形成過程を再現した。
世界初のエビの入った琥珀のディテール。
研究チームによると、これまでは琥珀の中にカニが入っていることはあったが、エビの発見は今回が初めて。これは早期マエビの種の多様性と分布範囲が、現在までの人類の認識を遥かに上回る可能性があることを意味する。同時にこれは世界で発見されたうち最も古い、甲皮にエラの溝とトゲのあるマエビで、マエビの適応性の変化に対して重要な研究価値を持つ。また水生生物の海洋環境から淡水環境への移行に関する貴重な手がかりを提供した。
この琥珀は長期的に北京石探記博物館で保管され、無料で一般公開される。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年11月12日