レトロな長沙の街並みが再現されている文和友の店内(提供写真)
国際的デザイン賞である2019年レッドドット・デザイン賞の授賞式がこのほど、ドイツのコンツェルトハウス・ベルリンで開催され、湖南省長沙市の有名レストラン「文和友」が最高賞のベスト・オブ・ザ・ベスト(RedDot:BestoftheBest)を受賞した。中国新聞網が報じた。
1955年に創設された国際的なデザイン賞のレッドドット・デザイン賞は、iFデザイン賞などと並んで世界三大デザイン賞の一つに数えられている。今年は世界38ヶ国のデザイナー数千人から約8600件の応募があった。
11月1日、表彰を受けて喜ぶ「文和友」創業者の文賓さん(左から3番目)と共同創業者の翁東華さん(左から2番目)(提供写真)
中国の大手サイトで大きな話題となっている文和友(長沙海信広場店)の店内では、色合いがまだらな青いレンガの壁、長沙市内に昔あった散髪屋、隣近所の人が集まる場所にあった石のテーブルや椅子などが再現されている。建物は7階建てで、敷地面積は2万平方メートル。店内には、エビ釣りができる池や養豚場、宝くじ店、ビリヤード場、本屋、写真館、散髪屋などがリアルに再現され、さらにゴンドラまで設置されていて、レトロな長沙の街並みを楽しんだり、普段はなかなか触れることができない街の通りでの遊びを楽しんだりすることができる。文和友に行くと、1980年代にタイムスリップしたような雰囲気に浸ることができる。
1980年代の長沙の街並みが再現されている文和友の店内(提供写真)
食文化を通して、一人でも多くの人に中国各都市の庶民的な文化や生活を知ってもらうことで、「商業+文化+アート」という独特な飲食スタイルを作り上げるというのが、文和友のコンセプトだ。今年の国慶節(建国記念日、10月1日)に合わせた7連休中、文和友には長蛇の列ができ、レストランが順番待ちの客に出した番号札は1日に2万を超えた。文和友は長沙市を代表するグルメブランドとなり、国内外から来た観光客の間で「絶対に行っておきたい場所」になっている。このようなビジネススタイルが多くの人の心をつかんでいることは明らかだ。
今回レッドドット・デザイン賞を受賞した意義はさらに大きく、文和友が世界に認められたことを示している。しかし、文和友の関係者はおごることなく、「これからも、庶民の文化や食文化を中心に、長沙発の文化的シンボルを作り上げ、世界の人々に飾らない中国を見てもらいたい」としている。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年11月6日