恐竜の「新たな動物相」、重慶市雲陽県で発見

人民網日本語版 2019年12月17日14:44

重慶雲陽恐竜化石群保護・研究2019年度学術シンポジウムが16日、重慶市で開催された。周忠和院士、王成善院士ら11人の全国的に有名な古生物化石や沈積学の専門家が議論し、重慶雲陽新田溝組が新たな恐竜動物相であるとの判断で一致した。中国の新田溝組で大規模かつ種類の豊富な恐竜動物相が見つかったのはこれが初めてで、その研究成果は恐竜の進化の序列の研究に対して重要な役割を果たし、恐竜の進化の序列の空白を埋めるポテンシャルを持つ。科技日報が伝えた。

世界クラスの規模を持つジュラ紀の「恐竜化石壁」

新たな動物相は、特定の地理的分布空間、多様で独特な組合せ、代表的な新属・種を持つ動物相で、その構成者は既知の動物相と大きく異なっている。

「重慶雲陽新田溝組恐竜動物相には、分布範囲が広く、時代のスパンが長く、資源量が多く、種類が豊富という4つの特徴がある」。重慶市地質探査局208地質隊地質遺跡保護研究院チーフエンジニア、雲陽普安恐竜現場技術責任者の代輝博士によると、この動物相は重慶市雲陽県に位置する、2015年に発見された恐竜化石集中埋蔵地だ。動物相の地層は新田溝組で、動物相の時代はジュラ紀中期の早期(1億7000−1億7400万年前)。現在まで一部の化石集中エリアで調査・発掘作業が行われており、1万点近くの化石が発掘・収集された。すでに明らかになっている化石の分布方向は18.2キロメートルに及び、分布範囲は約54平方キロメートルにのぼる。多くの層に分布し、時期的にはジュラ紀中期の早期から後期にまたがる。

化石はジュラ紀中期の統沙渓廟組と新田溝組の地層に集中しており、17層の化石が見つかった。専門家の分析によると、重慶雲陽恐竜化石は分布範囲が広く、時代のスパンが長く、「恐竜化石の長城」と呼ぶことができる。化石集中エリアの一部ではすでに、長さ150メートル、高さ6−10メートル、面積約1000平方メートルの化石壁が発掘・形成されている。化石壁の表面に5000個近くの化石が確認できる世界クラスの規模を持つジュラ紀現場化石壁だ。

中国科学院古脊椎動物・古人類研究所研究員、副所長の徐星氏は「重慶雲陽新田溝組恐竜動物相は、中国が初めて新田溝組で発見した大規模かつ種類が豊富な恐竜動物相だ。その研究成果は、世界のジュラ紀前期の後期からジュラ紀中期の初期にわたる恐竜の時空分布の空白を埋めることができる」と話した。(編集YF)

「人民網日本語版」2019年12月17日

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