新型コロナウイルスによる肺炎の拡大を受け、人々が家にこもって20日あまりが過ぎ、体を動かしたいという欲求を抑えきれない人も出てきた。そこで各大手プラットフォームが機運に乗じてライブ配信レッスンを打ち出し、ジムに行けないスポーツ愛好者が配信された映像に合わせて家でトレーニングできるようにした。こうして突然、「おうちでトレーニング」の人気に火が付いた。中新経緯が伝えた。
ライブ配信トレーニングレッスンを開設
ショート動画共有アプリの「Tik Tok(抖音)」と「快手」はパーソナリティにスポーツの達人、有名人、専門のコーチを呼んで、オンラインのライブ配信トレーニングレッスンを開設した。ユーザーは毎日好きな時間に気に入ったレッスンを選び、配信動画を見ながらパーソナリティと一緒に体を動かすことができる。アプリのプラットフォームでトレーニング記録をつけるようになったユーザーも多い。
スポーツプラットフォームも新業務を派生させた。「PPスポーツ」や「企鵝スポーツ」などのオンラインスポーツプラットフォームも参戦し、PPスポーツなどはライブ配信トレーニングレッスンを開設して1週間で、1回の配信の同時視聴者数が1万人を突破した。
トレーニングアプリのリーディングカンパニー「Keep」が提供したデータによると、2月5日現在、スポーツの達人の動画配信の視聴回数はいつもより430%増加した。春節(旧正月、今年は1月25日)連休期間に配信された「連休期間のスポーツライブ配信大集合」は、各種スポーツブランドのレッスン情報を集めたライブ配信の共有ツールで、参加者は累計5650万人を超え、同時視聴者数はピーク時には16万人に達した。
多くのトレーニング類アプリケーションもそれぞれの取り組みを打ち出している。プライベートレッスンの「Fit」は家でできる一連のトレーニングのポーズをまとめる、健康を保つコツを伝える、トレーニングを続けると特典が受けられるなどの取り組みを行っている。スマートスポーツプラットフォームの「咕■(口へんに冬)」はジョギング、筋トレ、脂肪燃焼などさまざまなニーズに応えるライブ配信・録画配信レッスンを開設した。プライベートレッスン「火辣健身」もスポーツの達人を招いてオンラインのライブ配信を行っている。こうしたアプリには有料レッスンやスポーツ用品購入といったサービスが用意されていることが注目される。
こうした「おうちでトレーニング」の反響はどうか。たとえばFitが打ち出した自宅にとどまって新型肺炎との闘いのための取り組みをみると、2月20日までに参加して会員になった人の数は12万5千人を超えた。
オフライントレーニング事業が新たな高まりをみせる
「クラウドスポーツ」は動画プラットフォームとトレーニングアプリのビジネスを発展させただけでなく、オフラインのジムに経営戦略を転換させ、人の流れが極めて少ない特殊な時期に生き残りをかけた行動を取らせた。これまでオフラインでのグループレッスンに重点を置いていた「超級猩猩」や「楽刻」などのトレーニングプラットフォームが、そろってオンラインライブ配信レッスンを打ち出した。
Mob研究院が発表した「2019年中国顔面偏差値経済洞察報告」によれば、中国のスポーツトレーニング市場の規模は安定して成長し、2022年には2115億元(約3兆3658億円)に達する見込みだ。全国民の健康意識の高まりにともない、トレーンイング類アプリのユーザー規模も飛躍的な伸びを示し、19年11月のアクティブユーザー数は9404万人に達して、前年同期比145.4%増加したという。
実際、オンライントレーニングモデルはずっと前からあり、大勢の新規ユーザーを獲得してきた。智研諮詢が発表した報告では、オンラインスポーツトレーニングのユーザーが14年の1040万人から18年は1億2600万人へと爆発的に増加した。特に新型肺炎が発生すると、自分の体や健康、スポーツ・トレーニング、栄養・食生活への関心が高まったが、オフラインのジムは人が密集する場所の1つであり、再開の日取りもはっきりしないこと。また人々が家にこもる状況の中、オンラインで同じ時間に利用する頻度や利用時間数が飛躍的に増えたことが、オンライントレーニングにとって好材料となり、オンライントレーニング事業が新たな高まりを見せることになった。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年2月24日