(撮影:新華社記者・楊馳)
新型コロナウイルスによる肺炎が発生して以来、中国の多くの企業が産業の方向性を迅速に調整し、マスクや医療用防護服といった医療物資の生産に転換した。これは新型肺炎との闘いの中で力強いサポートを提供している。専門家は、「企業の迅速な生産転換は市場ニーズを反映しているだけでなく、企業の民族精神と向上を続ける中国の製造能力の現れでもある」との見方を示した。中国新聞社が伝えた。
生産転換を行った多くの企業の中では、国有企業が牽引役と言える。これまで不織布を生産していた中国機械工業集団有限公司(国機集団)傘下の恒天嘉華非織造有限公司は春節(旧正月、今年は1月25日)の翌日から生産を再開し、医療用マスクの生産に転じた。これまで軍需品を製造してきた新興際華集団有限公司は春節連休期間に設備を大急ぎで購入し、昼夜兼行で医療用防護服の生産を行っている。元々化学防護服を手がけていた中国化工集団有限公司傘下の中国化工集団曙光橡膠工業研究設計院有限公司(曙光院)は、繰り返し使用できる医療用防護服をたったの55時間で開発した。中糧生物科技股フン有限公司(フンはにんべんに分)はエタノールと白酒(蒸留酒)の生産の優位性を活かして、医療用アルコールの生産に切り替え、市場に累計1万トン以上の消毒用アルコールを供給した。
「国有企業が医療物資への生産転換で最前線に立っているのは、国有企業のもつ特徴と社会的責任によって決まったことだ」。中共中央党校(国家行政学院)の張春暁研究員は取材に答えた中で、「春節連休期間は、感染対策のカギとなる時期でもあり、多くの企業が休み中だった。この時期には国有企業が、特に中央企業(中央政府直属の国有企業)が物資生産の重大な任務を担わなければならなかった。また各レベル国有資産監督管理当局が感染対策指導チームを発足させ、国有企業を統括して作るべきものは作り、生産転換できるところは早急に転換して医療用防護物資を生産するようにした」と述べた。
国務院国有資産監督管理委員会の任洪斌副主任は18日、「現在、新興際華集団が毎日生産する医療用防護服は4万5千万セットに達し、全国の総生産量の3分の1以上を占める。国機集団、中国石化、兵器工業(中国兵器工業集団公司)は医療用マスクを毎日合計130万枚生産し、医療物資の供給を保障する上で積極的な役割を果たしている」と述べた。