「クールマスクがほしい」。暑い夏、マスク着用であせもができそうだという声も聞こえてきている。こうした人たちは、保健用品・清涼用品メーカーに「クールマスクの生産ラインを設置できないか。これは大きな商機ではないか」と訴えている。中国青年報が伝えた。
そうした声を受けて、多くの業者がクールマスクの生産に転じている。新型コロナウイルスの感染対策が行われるなか、人々はクールマスクの効果の他に、信頼性についても大きな関心を寄せている。
普通のマスクの供給が拡大し価格が低下する流れと逆行し、クールマスクの注目度が高まり続けている。メディアの報道によると、日本のスポーツ用品ブランドであるミズノは、5月末から特殊材料で作るクールマスクの販売を開始した。この洗うことで何度も使えるクールマスクの販売価格は約60元(1元は約15.2円)で、発売日には2万枚も売れた。
日本企業はこぞって業界の枠を超えてクールマスクを生産している。ファーストリテイリング社は、ユニクロの機能性下着「エアリズム」に使用されている、通気性が良く乾きやすい材料でマスクを生産すると発表した。さらに日本のある繊維企業は冷却材を入れられるマスクを発売した。マスクに2つのポケットを作り、冷却材を4個入れると、1-2時間ひんやりとした感覚が続く。冷凍庫で冷凍することで再利用可能で、1枚の価格は約84元となっている。
実際のところ、それ以前に中国国内で発売されていたクールマスクは供給不足に陥っていた。華潤三九は今年3月にインタラクティブ・プラットホームで、気温上昇に伴い、同社の子会社が生産する球状ジェルクールマスク「999IDAI」の供給が需要に追いつかず、供給拡大に取り組んでいると発表した。あるECプラットフォームが14日に発表したデータによると、同マスクのある専門店での月間販売量は6000枚を超える。
◆クールマスクの効果は?
記者の調査によると、市場で流通しているクールマスクは主に次の4つのタイプに分かれる。(1)素材に着目し、絹やクール素材、もしくはスポーツウェアや水着の生産に使う通気性が良く乾きやすい素材を採用する。(2)マスクの厚さを変える。(3)マスクにさまざまな匂いの球状ジェルを加える。(4)マスクにオイルを塗ったクリップをつけ、通気性を良くする。
消費者のクールマスクに対する感想はまちまちで、冷たすぎると言う人もいれば、冷却効果が顕著ではないとする人、あるいはウイルスをカットする効果が疑わしいとし、涼しさとウイルス予防のジレンマに陥っている人もいる。
「これはすごい」。あるネットユーザーは球状ジェルを使ったクールマスクの使用後、「マスクの中に緑色の2つの球状ジェルがあり、午前8時頃にその1つを潰したところ、午後2時になってもミントの香りが残っていた。まさに夏の神器だ」と述べた。別のネットユーザーは、「一般的なマスクと比べると、一部のクールマスクはより分厚く、夏につけるとむしろ暑くなる。ひんやり効果は3時間もするとなくなる。無駄な出費だったと思っている」と述べた。
市場のクールマスクは現在、多くが使い捨ての防塵マスクであり、使い捨ての医療用マスクではない。そのうち一部の防塵マスクメーカーは消費者を安心させようと、同製品のろ過効率は97%以上という検査報告を打ち出している。このほか、一部のクールマスクはKN95マスクだ。
あるクールマスクの販売担当者である張氏は、取材に対し、「ユーザーは購入後、同マスクに一定の冷却効果があるとしている。クールマスクは緩和の効果を発揮するだけで、マスクで苦しいという問題を根本的に解消することはできない」と話した。
マスクの信頼性に関する疑問について、あるマスクメーカーの工場長である蔵麗氏は、「クールマスクは3層の異なる材質で作られ、ろ過と冷却は別の層で行われる。そのうち、ろ過はメルトブローン不織布で行われ、同マスクのろ過率は95%を上回る。冷却はマスクの肌に触れる層で徐放性マイクロカプセル技術を用い、揮発しやすい冷却係数をロックする。この技術により、クールマスクを着用すると息の水蒸気と汗の作用によりひんやり感が出て、それが4時間続く。今後は消費者の需要に基づき、より専門的な抗ウイルスマスクを開発する」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年7月1日