中国アイス市場の規模2.1兆円超 チャンスはどこに?

人民網日本語版 2020年08月18日14:57

中国アイスクリーム市場研究センターがこのほど発表したところによると、2019年に中国の全国アイスクリーム市場の規模は1380億元(1元は約15.2円、約2兆1000億円)に達し、世界一の消費国になった。それでも1人あたり平均水準は米国やスイスなどの先進国よりかなり低く、ここからアイス市場には引き続き大きな発展の可能性があることがわかる。「工人日報」が伝えた。

昨年の夏、中国アイス市場は全体として爆発的発展期を迎えた。データをみると、18年にはオンラインのアイスブランドは60社余りに過ぎなかったが、19年は100社を超え、現在は150社あまりに増加した。熱い市場の背後には、商品、価格、ルート、マーケティング方式などでのアイス業界の全面的な高度化があり、国産アイスは「1本1元」という安価なイメージを打破しただけでなく、資本の注目も引き寄せた。だがそれにもかかわらず、ネットで人気者になったアイスの多くは人気を持続させることが難しいとみられる。

今ネット人気の商品はどれもみなファンベースのファンマーケティングやコミュニティベースのコミュニティマーケティングによって人気が出たもので、ライブコマースもネット人気商品の重要な販売手段だ。たとえば瓦の形をしたアイス「鍾薛高」(Chicecream)は高いスポンサー料を払い、ネット有名人の羅永浩氏がその第1回ライブコマースで初めて取り上げる商品になった。今年4月1日の羅氏のライブコマースでは、鍾薛高フレッシュシリーズのアイス2万2千個が売れ、売上高は227万5100元に達した。

鍾薛高ブランドの創始者である林盛氏は、「アイスは今や暑さ対策の範囲を飛び越えて、家庭の『おやつの選択肢』の一つになっている。高品質がもたらす高プレミアムもアイス販売ルートにより大きな粗利益を獲得する可能性を与え、販売ルートが市場で『ゲートキーパー(門番)』の役割を果たすよう推進した。今や全国では3元以下のアイスを探すのが難しいほどだ」と述べた。

林氏は続けて、「その背後にあるロジックはこうだ。鍾薛高などのネットブランドが中国アイス市場の上限を引き上げ、双黄蛋などのオフラインブランドが市場の下限を引き上げ、産業全体が高度化し、市場のパイも大きくなり、オンラインブランドもオフラインブランドも成長している。従来のアイス企業は粗利益率が低く、熾烈な価格競争が行われる悪循環に陥りやすく、またブランド確立とサプライチェーン最適化を進める資金がなかったが、資本が介入すればこうした問題をちょうどよく解決することができる」と述べた。

規模1千億元を超えたアイス業界 さらに開拓可能なチャンスはどこに

重慶工商大学長江上流経済研究センターの莫遠明研究員は、「アイス市場はすでに全国市場の独占を目指す競争と地域市場の独占を目指す競争が同時に行われる時期に入った。外資大手が中国アイス市場に徐々に浸透するようになり、市場の競争局面には分裂が生じ、小規模ブランドの競争が一気に大手ブランドの競争へと変わっており、業界のハードルはこれから急速に上がるだろう」と述べた

商品の構造をみると、ウォールズ、ネスレ、ハーゲンダッツなどの外資系ブランドが高級市場の大部分と中級市場の一部を占領している。蒙牛、伊利、光明などの国産ブランドは中級商品が中心だ。地域の老舗メーカーと多くの中小規模の地方民間企業は中級・低級市場に狙いを定める。

莫氏は、「現在、複数の外資系メーカー、国内の乳製品メーカー、地域の老舗メーカーが『天下を三分する』局面が基本的に形成されているが、アイス消費は高度化を遂げ、これから大手に競争を挑むチャンスがあるだろう。アイスというこれまであまり注目されていなかった小さな品目が、徐々に一大産業へと成長している」との見方を示した。

専門家によると、アイス全体の発展状況から考えて、価格は今後も上昇を続けるとみられる。商品の品質保証を主な訴求ポイントとして、その見た目と属性を向上させることが、重要な方向性になるという。

また同専門家は、「未来のアイス商品は天然、健康、機能化、おやつ化に向けて発展するだろう。ここ数年、健康食品が低脂肪、低糖、低塩、高タンパクの『三高一低』健康ニーズを打ち出しており、これはアイス商品の発展トレンドにもなるとみられる」と述べた。

「人民網日本語版」2020年8月18日

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