7歳の男の子救うため、約1000人が献血に 山東省

人民網日本語版 2020年09月09日15:35

山東省血液センターは今月6日、「7歳の男の子が毒キノコを食べて食中毒になり、生命に危険が及んでいる。すでに集中治療室(ICU)で9日間にわたる治療を受けている。毎日血漿3000ミリリットルを必要としており、取り急ぎ献血を求む」というメッセージを発表した。

このメッセージが発表されると、各地から心ある市民が献血に駆け付け、同日夜9時45分時点までに、367人が13万ミリリットル以上の献血をおこなった。

そして、進んで献血しようと市民が殺到したため、7日午後3時ごろ、同センターは、「献血はしばらく停止する」と発表した。

7歳の子供が野生の毒キノコ入りスープを飲んで食中毒

9日間で血漿約2万ミリリットルを輸血

公園で採った野生の毒キノコ入りのスープを飲んだ圓圓君(7歳、仮名)と大人2人に嘔吐などの食中毒症状が発症した。その後、大人2人は病院で治療を受けてすぐに回復したものの、圓圓君は翌日に病状が悪化し、現在も懸命な治療が続いている。

圓圓君の治療には、毎日血液ろ過と血漿交換が必要なため、9日間ですでに約2万ミリリットルの血漿を輸血した。圓圓君の血液型は、4種類の血液型の中でも最も少ないAB型。山東省血液センターのAB型血漿の保有量はその時点ですでに不足が極めて深刻だったため、圓圓君の治療に使える血漿はわずか3日分しかなくなっていた。そのため同センターはメディアを通して、圓圓君の命を救うために、一人でも多くの市民が進んで献血してほしいと呼びかけた。

チャーターバスを手配して献血に訪れた市民も

献血呼びかけに日没前にはすでに献血の列

「今すでにシェア自転車に乗っていて、献血に向かうところだ」、「私はAB型なので、すぐに献血に行きます」。

今月6日に、献血を呼びかけるメッセージが出されると、圓圓君を救うために、市民らは進んで献血にやって来て、中には他の地域から車を運転して駆け付けた人やバスをチャーターしてやって来た人もいたという。

今回最高齢の献血者となった王さん(女性、52歳)は、車酔いしたため血圧がやや高くなってしまい、傍らでしばし休憩中だった。彼女は、「普段はとても健康だし、各項目の指標も正常。午後に献血が必要という話を聞いて、すぐにやって来た。この話を聞いた時はちょうど公園で太極拳をしていたところだった」と話し、着ていた太極拳用の服を指しながら、「服を着替える暇もなく、車に乗ってから家族に連絡した」と話した。

また妻と息子を連れて献血にやって来た劉さんは、「私は元軍人。これまでに何度も献血してきた」と話した。劉さんの血液型はO型で、妻はAB型のため、夫婦で献血していた。

989人が32万ミリリットル以上を献血

血液センター「献血は2週間暫時停止」を発表

心ある市民たちが進んで献血に訪れたため、わずか1日で約1000人が合わせて32万2200ミリリットルを献血した。

今月7日午後3時ごろ、山東省血液センターは、「食中毒の男の子が必要とするAB型の血液は既に十分確保できたため、献血は2週間暫時停止する」と発表した。(編集KN)

「人民網日本語版」2020年9月9日

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